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カテゴリ:■銀塩カメラの筆卸し■
~前回までのあらすじ~
フィルムカメラ童貞の私は 何としても素敵なステディー(カメラ)と 筆下ろしたい。 カタログを読み漁っている中、 目を奪われたのはFM3A。 「お前しかない」 そう思った私は、彼女を手に入れることを心に誓ったのだった。。。 こちらは 「銀塩カメラの筆下ろし」の第三話(四話完結) 「銀塩カメラの筆下ろし -後編-」です。 初めから読みたい人はこちらからどうぞ 前回の中編はこちらからどうぞ == 本編 = 本編 = 本編 = 本編 = 本編 == FM3A 白肌のおまえ。 容姿はおしゃれでありながら、 流行り(?)のAFには目もくれない、大和撫子。 とはいえ、良いとされるものはそれだけ競合がいる。 案の定、FM3Aは多くのカメラ屋から姿を消していた。 必死に探すこと数日。 日本カメラ小売店の殿堂。 フジヤカメラにその姿を発見できた。 しかも彼女は処女の状態で!!!(つまり新品) 考える間もなく、取り置きの電話をした。 「ええ、FM3Aです。週末には取りに行きます。 はい、宜しくお願いします。」 * * * サブカルチャーのカオスが支配する町。 中野。 その中でも駅北は特にその磁力が強い。 かつて某東京都知事が住んでいた、 ブロードウエイは「まんだらけ」の巣となり、 B級グルメ不動の王者、らーめんも 都内トップクラスのクオリティを誇る店が軒を連ね、 その通りは「らーめんストリート」と俗称がつくほど。 その中でも中野の老舗として、一目置かれているのが フジヤカメラ。 この店の中古価格は俗に、 「中野価格」 と呼ばれ、中古市場のジャパニーズスタンダードとなっている。(←これホント) そんな店でお前に逢えるなんて、私はなんて光栄なんだろう。 店に入る。 nikonの売り場は二階だ。 自動ドアが開き、何人か店員が見える。 一言、 「FM3Aを取り置いている剛毛~ですが…」 それですべては完成する。 そして私の童貞ライフは終わる。 ・・・・・・。 しかし、この期に及んで、私はその一言が出ない。 なぜかモジモジしてしまうのだ。 こんな気持ちなのか。 こうして、誰しもが通過儀礼を済ますのか。。。 落ち着け!!落ち着け!落ち着け。 私は深呼吸をし、店内を1周、回ることにした。 その間に私の覚悟ができるだろう。 しかし、この行為こそが私の運命を大きく左右したのだった。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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