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まず最初に、これは現代ではなく近代以前の身分制が存在した時代についてのことであることを断っておきます。
身分違いの恋物語と言って真っ先に思いつくのは、欧州の騎士と主人の奥方の古典でしょうか。 これは主に貴婦人達向けの恋物語として描かれたもので、話の内容は単純に言えば不倫です。現在のレディファーストの前身として、騎士は誰か1人心に決めた貴婦人を「憧れの人」という意味合いで崇拝するべしというマナーがありました。手を出すのはもちろんのこと、会話を交わすことすら許されません。騎士同士の試合の際、ハンカチを憧れの人代わりにと贈られ、観客席からにっこり微笑んでくれることを最大の報酬とするのです。そんな若くて逞しい騎士達が、もし禁断の一線を踏み越えてまで自分を奪いに来てくれたら? ある意味、日本の中高年女性が韓国スターに熱狂するのと似たようなものなのかも知れません。 次に思いつくのが、男性の身分が高いパターンです。 19~20世紀のイギリス文学でも、主人(あるいは主人の息子)とメイドの恋物語は大変人気があったようで、クリスティやディケンズの小説などにも見ることが出来ますね。そこへ行くとドイルはかなり酷く、ホームズは肉体労働者に変装した際、結婚の約束までしたメイドをいとも簡単に捨てていますね。まあ、身分違いとは少し違いますが、どうにもドイルは好きになれなかったりします。閑話休題。 ともかく、身分制の存在した時代は生まれた身分によって受ける教育が大きく異なりますので、階層移動することはまず不可能とされていました。 単に制度的(法的)なことだけではなく、その時点での生活習慣すら影響されていたのです。現代では殆ど残っていませんが、敢えて近い感覚を選ぶとするなら、都市部に住むサラリーマンの方の娘さんが専業農家に嫁ぐ、もしくは外国の方と結婚されて外国で暮らすパターンがこれに該当するでしょうか。勿論、これとは比較にならないものでしょうが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 10, 2005 11:46:21 AM
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