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ついさきほどまで代官山を一人ぶらぶらと彷徨っていた。
その感動が覚めやらぬうちに。 以前、ほんの少しの間だけれど、この街で仕事をしていたことがある。 ただ、当時は恐ろしく忙しくて、ゆったりとおしゃれなカフェで 昼食をとるようなこともままならず、人にうらやましがれる程の土地に いながら、ほとんどその魅力を満喫できずにいた。まあ、土地勘だけは ついたので、再訪すると、この街の奥の深さが発見できて楽しい。 代官山の夜は意外と早くふける。すぐお隣の二つの都会とは異なり、 こっそりと隠れた大人の店が深夜までハイソな人々を抱えているのみで、 若者賑わう昼間とはうって変わった静けさが訪れる。 そんな代官山のひっそりとした小道に足を踏み入れると、ほのかな 灯りと蛇行を続ける坂が夢見ごこちへと人を誘う。そう、この街の キーワードは、光と、入り組んだ小道だ。大通りに面したファッション、 雑貨のお店は確かにお洒落で魅力的だが、店を閉めた後は、街をライトアップ する装飾へと変身する。そしてフロアが複雑に絡み合うように設計された オブジェとも言える建造物の数々。 再び、感じるのは、幻想的な空間にて迷うことの怖さと抗しがたい魅力。 そう、この感覚は、全く文化は異なるものの、ヴェネツィアや「あの街」と 同じだ。幽玄な美は人を惑わすことから生まれるような気がする。 人ひとり通らない真っ暗な小道を歩いていると、どこかで小川のような せせらぎが聞こえてきた。顔を上げると、フランス語で何か書かれた 白い小さな看板があった。看板の指す方向へふらふらと進むと、突然 明るい光に包まれた、ソファの並ぶカフェの前に出た。なんとも刺激的。 なんとも大胆。 光と影、美と穢れ、直線と曲線、前衛と古典、メジャーとマイナー。 さりげなく、いくつもの対比すべきものが存在する代官山という街。 さて、次回は、「あの街」です。 【オススメ度】★★★★★(5段階) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.09.07 13:23:12
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