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私の持論の一つに「ゲームはコミュニケーション」というのがあります。
一般的に「ゲーム」と言われると、どちらかと言うと、ファミコンから 始まったコンピュータゲームジャンルを指すように思われますが、 ゲームそのものの歴史をひも解けば、双六のような古来から続く 盤(ボード)ゲーム、トランプのようなカードゲームの方が、実は 歴史的・世界的に深く浸透していると言えます。 ゆえに、「ゲーム」とは一人遊びの代名詞ではなく、むしろ 「皆で楽しむレクリエーション」という性質が強く、それゆえに優れた ゲームは必ずと言っていいほど、「コミュニケーション」を重視した 作りとなっています(一人で遊ぶカードゲームは「ソリティア」 と分類され、特殊な位置付けと言えます)。 カードゲームにおける他者とのやりとりは言うまでもなく、 ボードゲームの王様と呼ばれる「モノポリー」の醍醐味も、他プレイヤー との言葉のかけひきにあります。自分の力や運だけではどうにも ならない勝利への道を、いかに他者とのやりとりの中で切り開いていくか、 その絶妙なゲームバランスこそが多くの人々の支持を得るのです。 コンピュータゲームの世界であっても、優れた作品にはコミュニケーション 感覚を強く感じるものが多いです。スポーツゲームやアドベンチャーゲームは、 「まさにその場にいる臨場感」をゲーム内のキャラクターとのやりとりで 演出します。「ドラゴンクエスト」が大ヒットした遠因には、ゲーム内の 人々とのやりとりにたまらなく親密度を感じる、というものがあると思います。 「ポケットモンスター」という作品が子供を中心に爆発的に広まったのは、 なんといっても、実際に他のプレイヤーと対戦やモンスター交換を楽しむこと こそが、ゲームの肝だったからです。同じゲームを一緒に遊んでいる仲間との 情報共有=コミュニケーションは、仲間意識の強いコドモ界では必須と言えます。 対戦格闘ゲームや、ネットゲームにおけるコミュニケーションは言うまでも ありません。他のプレイヤーと対戦、協力して遊ぶ魅力は何よりも強烈かつ甘美な 体験です。この魅力にとりつかれてしまうと、なかなか他のゲームを遊ぶことが できない程なのです。 欧米では全国的に数多くのゲームコンベンションが開催され、コンピュータゲーム のみならず各種のゲームが今でもたくさん出品されています。また、家族や仲間を 集めてボードゲームに興じることも、日本以上に一般的です。 それは家族間のコミュニケーションとして欠かせない、とまで言われています。 つまり、「ゲームはコミュニケーション」という言葉は、 ・ゲームの要素としてコミュニケーションが大事 ・ゲームこそがコミュニケーションツールである という二つの意味を含んでいるつもりです。 私は、ネットゲームの中で数多くの外国のプレイヤーと知り合いました。 同じ目的に向かって頑張った仲間とのひとときの会話(チャット)は、 とても楽しく、「台湾で建築家やってます。仕事が忙しいんで、ゲームが 唯一の楽しみなんですよ」なんてことを聞いたりすると、目の前のPCが 世界につながってるんだなあ、という実感を強く抱きます。 デンマークの町のゲームショップにふと立ち寄った際、お互いの 国の言葉など分からないながら、満面に笑みを浮かて、片言の英語で ゲームの説明をしてくれた店員のことも、とても印象深いです。 ゲームは世界共通言語なんだ。 これからも大切にしていきたい文化だと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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