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ranran52

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2005.07.06
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私だったら、高校3年生だな。


とても『華の女子高生(古い?)』だなんて言えないような高校生活だったけれど、一番キラキラしていたあの頃。


朝起きて、ギリギリで電車に乗って学校に最寄の駅で降りる。
そこから自転車で坂を登ること20分。
学校に到着して、教室に入る前に部室に荷物を置きに行くと、朝練とグラウンド整備を終えた野球部の仲間とすれ違う。「おはよう、お疲れー」すれ違う体からは、土の香り。
HRもなしに授業が始まり、眠気と戦いながら、時に眠気に負けながら、授業の終わりを待つ。

帰りのHRが終わると、即効で部室に行き、着替えてグラウンドに向かう。
授業が終わってからが本当の私の学校生活だった。


HRを早く終えた仲間たちは、もうグラウンドに出ている。
ああ、あいつのクラスは終わるの早かったんだなー
遠くから見たって、走り方や投げ方で誰なのか分かった。
何百という彼らの試合を見てきたのだ。



バックネット裏にある、小さな建物、本部室が私の場所だった。
ここからみんなのバッティング練習を見るのが好きだった。
金属バットだから、芯に当たったかどうかがすぐわかる。
綺麗に振りぬいたバットがボールを確かに捕らえた時の音は、何ともいえないほど美しかった。

ベンチの一番隅っこにある、ボロボロになった机が私の場所だった。
バッターボックスに向かって行くみんなの背中を、守備位置に向かって走っていくみんなの背中を見るのが好きだった。
ピンチを切り抜けて、笑顔で肩を叩き合いながら戻ってくるみんなを、ホームに滑り込んでユニフォームを真っ黒にしながら笑顔で戻ってくるみんなを迎えるのが好きだった。



楽しいことばかりじゃなかった。
入部早々先輩のマネージャーがやめてしまって、何も分からないままたった一人のマネージャーとして取り残されてしまった。
監督のやり方がどうしても理解できず、もらった背番号を付き返してそのままやめてしまった仲間がいた。
あまりに無様な試合をやってのけて、監督を泣かせてしまった。
他にも・・・ここでは言えないようなことが、たくさん起こった。



それでも、やっぱり野球が好きだから、3年間、あのチームにみんないたんだ。



3年の時の夏の大会は、酷いものだった。
チームの悪いところは全て出てしまったんじゃないだろうか。

初戦、初回から点を取られた。取られまくった。
止まらない。ストライクが入らない。ボールに手が付かない。。。
5回の裏、グラウンド整備の間に、キャッチャーがベンチ裏で泣いた。ピッチャーが嬌声を上げた。このまま負けてしまうの?こんなところで?スコアを書く手が震えた。

もう、この仲間と野球ができないのだろうか。

しかし、6回の表から彼らは立ち直った。
点差をあっという間にひっくり返し、気が付けばコールド勝ちだった。

試合が終わった時、嬉しいという気持ちよりも、疲労感の方が強かった。
無様な試合だった。
ねえ、私たちはこんな試合をやるために3年間野球をやってきたんだっけ?




2回戦はいい試合だった。
打撃戦で、かなり点を取られたけれど、負けずに取り返した。
投手陣の乱れを、打線がカバーして、打撃戦を制した。


3回戦・・・1・2回戦から一転して投手戦。1対1のまま迎えた6回。
連投のエースに疲れが見えた。エースって言っても、春までは外野を守っていたのだ・・・練習試合で投げてきたとはいえ、大会で連投するのと練習試合で投げるのとではわけが違う。
ストライクが入らない・・・でも、まだ同点だ。変える場面じゃない。

エースがお尻のポケットを触る。
「あの子にね、ユニフォームのポケットのところにSUEちゃんがくれたお守りを縫ってくれって言われたから、付けておいたのよ。」
おばさんがそう言っていたっけ。

がんばれ。

炎天下で投げたボールはキャッチャーの構えたところからわずかに外れたところに収まった。
フォアボール。押し出し。
三塁にいた走者がゆっくりとホームに向かい、白いベースを踏む。



結局、それが決勝点となって負けてしまった。。。
試合が終わって、ベンチの前で相手の校歌を聞いていたら、たまらなく悲しくなってきてとめどなく涙が流れた。

もう、終わりなんだ。

負けたことに対してじゃなくて、この仲間ともう野球ができないことに対して涙が出た。
試合が、第3試合でよかった。
次に試合が控えてないから、急いでベンチを引き上げなくてもいい・・・

「俺が、俺がフォアボールさえ出さなければ・・・俺が・・・」
と言って泣き崩れるエースを誰が責められるだろうか?
みんな、精一杯やったんだ。
それはみんな分かっている。ただ、もうみんなで野球をできないことが悲しいんだ。





学校に戻った時には、もうすっかり日が暮れて星が出ていた。
部室の前でみんなで座り込んだ。寝転んでるやつもいた。


「楽しかったなぁ」


誰かが、空を見上げてそうつぶやいた。

************************


そんな、高校3年の夏。

戻れるとしたら、もっと強いチームで、甲子園で優勝とかしたい?
いいや、やっぱり同じチームで野球やって、きっと同じように負けるんだと思う。



また、暑い夏がやってくる。
今年は、どんな熱い戦いを見せてくれるのかなぁ!





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Last updated  2005.07.06 22:30:15
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ゆう@ とうとう出ちゃったね うわさは本当だったよ。 http://himitsu.…
sui@ Re:*近況報告*(08/23) suiです。ひさしぶりです。カモメくん来て…
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