長編時代小説コーナ
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龍5777
基本的には時代小説を書いておりますが、時には思いつくままに政治、経済問題等を書く時があります。
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「坂の上の雲を観て思うこと」 NHKの大河ドラマ、「龍馬伝」が終わり「坂の上の雲」が始まりました。 ドラマを比較すると断トツに、坂の上の雲が優れていると思います。 坂の上の雲を今年の大河ドラマにしたほうが良かったとわたしは感じ ます。その理由は龍馬伝は人物描写を描き切ってなかったことです。 岩崎弥太郎、お龍などは資料からみても変に強調しすぎた感がありますし、 印象が強く残ったのは、土佐藩主山内容堂一人と思うのは、わたし一人 でしようか。徳川幕藩体制を打ち崩し、新しい日本国家を作る。そうした 強烈な思いと熱気が、龍馬や彼を取り巻く人々から感じとれないのだ。 一方の坂の上の雲は、昨夜で日清戦争の勝利と秋山真之の米国留学までの 放映でしたが、当時の日本政府の高官や軍人等の考えが鮮明に描かれていま す。極東の小国である日本は、徳川幕府を倒し明治となって三十年近く過ぎま した。西洋列強の帝国主義に対抗し、明治二十九年の軍事費は国費の四八% と言われておりました。そうした国の事情をすべて政府や軍の高官は知っており ながら、富国強兵の道をひた走りに走り抜きます。 そうしたなかで登場人物は多彩な人材が描かれております。 戦争を回避したいと思う伊藤博文の苦悩、開戦せねばイギリスやロシヤが 清国に攻め込むと心配する軍の高官、児玉源太郎、山本権兵衛。バルチック 艦隊を破った名将、東郷平八郎の毅然とした態度。 外交官の陸奥宋光、小村寿太郎など、それぞれの立場で国を憂いてさまざまな 駆け引きを行う姿が生き生きと映っています。 また海軍の若き英才の秋山真之や、彼の一期上で親友であった広瀬武雄ら の苦悩する姿、騎兵隊の産みの親、秋山好古の豪快な人柄。結核に侵され、 苦悩しつつ俳諧の道を歩む、正岡子規の生き様。そうした人物像が生き生きと 描かれております。いずれの人物も国を第一に思い行動しておりました。 そうした人物は日本から無くなりました。明治の気骨ある人材の生き様を、 ドラマを通し政治家をはじめ、国民も改めて考える必要を感じました。 今、この雑文を書き終わり、書庫にある司馬遼太郎全集を眺めております。