長編時代小説コーナ
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龍5777
基本的には時代小説を書いておりますが、時には思いつくままに政治、経済問題等を書く時があります。
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「黄昏の末(3) (生きる) 昨夜、飲みすぎて珍しく夢を見ることもなく熟睡した。 コーヒを飲みながら、新聞を何時ものように一面から目を通した。 暗いニュースばかりが紙面に躍っている。 こうした時は決まっておいらは同じことを考える。 「人は何のために生きているの」 おいらのような歳になるとしみじみと人生の儚さや、無常感を覚える。 「人間てなに?」 「何故、生きているの?」 素朴な疑問である。それと共に男女が存在し愛したり憎んだりしながら 一緒に生活し、悩みや苦しみを抱え一生懸命に働き金儲けをしている。 何故、人間のみがそんなに苦しむのかよく分かんねえ。 こうなると地球という存在に疑問が感じられる、植物は季節のうつろいで 子孫を残し、人間以外の動物には発情期があり、その時期しか交尾をしない。 人間だけが年中、発情している。おいらはこの歳になっても分かんねえんだ。 それに生きると言う意味がよく分かんねえ。なんで生きているのか、それとも 生かされているのか、疑問に囚われている。 いうなれば哲学の世界だね、それを考えると年月の早さが実感される。 「明日なんて日はねえんだ」 おいらこの言葉が好きだよ。普通に過ごしている人にとり、明日は必ず 訪れるものと無意識に信じているが、誰にも訪れる保証はねえんだ。 今日遣ることは明日に残すな、何時、お迎えが来るか分かんねえぞ。 明日ていう日が分かんねえから、悔いを残さずに真剣に過ごそうよ。 仕事も私生活も一生懸命に遣ろうよ。酒も常のごとく楽しみ、好きなことは 残さず遣り遂げようよ。 女だってそうだ今夜で彼女とお別れと思えば、会話もセックスも今までとは 違い、心の底から愛しみと愛情で包み込んだ営みをするだろう。 併し、おいらには女はいない、早いとこ見つけて抱きたいし、男の証しを試し てみたいよ。もうそこまでお迎えが来ているんだ。 黄昏の末<1)へ