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May 16, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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       「改訂  上杉景勝」 (80)

 それでも三成は屈しなかった。彼の矛先は常に家康に向けられていた。

 だが家康も三成の思惑を知りながら、太閤の遺命を無視し、積極的に大名

との繋がりを深め、福島家や蜂須賀家などの太閤譜代の大名と姻戚関係を

結んでいた。

 明敏な三成はそうした動きを察知していたが、その真意を看破できずにい

た。大老の筆頭の家康は利家の病死を境とし、公然と天下取りに動きだした

のだ。その為に秀吉子飼の大名を自家薬籠中とすべく接近していたのだ。

 その大名は荒大名で知られ、石田三成を嫌う一団であった。

 彼等は家康の好々爺ぜんとした態度に惑わされ、家康に心服するようにな

った。これを憂慮した三成の謀臣の島佐近は、家康暗殺を進言していた。

『かの狸を誅殺すれば全てが丸く収まる』 これが島佐近の考えであったが、

三成は秀頼公の膝下での反乱に等しい行動には賛成しなかった。

 既に家康打倒を心に決していた、三成の気象と昂然とした気概がそれを

拒否したのだ。

 島佐近は心から主人を信頼していたが、人を人と思わぬ尊大な三成の気象

を危惧し、秀吉子飼の荒大名を敵に廻すことを恐れていたのだ。

 筆者は思う、家康の心情は小心なほどの根深い猜疑心に充ち溢れ、大名等

の離反を恐れ、細かい気遣いを見せていたと推測する。

 大名達はそうした家康の心の襞を知らないが、三成は本能的に家康の心の

奥を見極め、家康の行動の理非を糾弾していたのだ。

 こうしたきな臭い時期に突然、兼続が景勝の許に現れた。

「山城、来てくれたか」

 景勝が上機嫌で出迎えた。

「領内統治も一山こえました。お屋形のご尊顔を拝したく罷り越しました。上方

の情勢はいかがにござる」

「山城、上方は魑魅魍魎の棲家じゃ」

 景勝が剽悍な眼差しを見せ嘆いた。

「弱音を吐かれますな、豊臣家を救うことが出来るのはお屋形のみにござる」

 兼続が声を低め深慮遠謀な眼差しで景勝を見つめた。

「我等、大老は内府の動きを阻止できぬ。また五奉行には腰の据わった者が

居らぬ」

 部屋の外は物音ひとつしなく静まりかえっている。

「石田殿が居られましょう」

「一人で何が出来よう。殿下子飼の武将どもは内府の飼い犬じゃ、このまま

では政事も内府の思うままじゃ」

 景勝が浅黒い顔で吐き捨てた。

「それ故に石田殿は内府暗殺を策しておられます」

「何っ-」  景勝が絶句した。

「家老の島佐近が直に動いております」

「危ういぞ、そのような姑息な手段は内府にとり絶好の機会となろう」

 景勝は答えながら、流石は直江山城守じゃと感嘆していた。遠国にありなが

らも、上方の情報を探っていたのだ。

 景勝が危惧したように、家康は佐近の動きを察知していた。

 彼の隠密団の頭の服部半蔵から仔細に報告を受けていたのだ。

「動きだしたか」

 家康はそれを待っていた。

 家康暗殺の動きが意図的に加藤清正にもたらされた。


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Last updated  May 16, 2012 10:58:32 AM
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