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May 24, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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       「改訂  上杉景勝」 (86)


 前田利家の死と三成の隠退により、政局は家康優位に展開した。

 大老は毛利輝元、宇喜多秀家、上杉景勝、そこに利家の死去により、

利家の嫡男の前田利長がつとめることになった。

 家康は十三日に政治の中心地の伏見城に移り、ここで政務を担当

するようになった。

 まさに家康の天下取りがここから本格的に始まったのだ。


      (直江状)

 八月を迎えた景勝は、家康をはじめとする大老に帰国を申しでた。

 会津移封により、藩主としての領内統治が疎かになっていた。

 これが帰国の理由であった。

「上杉殿には気の毒でござった、殿下は移封の命を下され、まもなく崩御

された。ご貴殿は伏見で政務をこなされたが、一応の治まりがつきました。

帰国なされ領民の安堵に心いたされよ」

 大老筆頭の家康が承認し、残りの大老も景勝の帰国を許した。

 それを受け景勝は八月中旬に会津に到着した。

 同時期に大老の一人、前田利長が利家の遺骸を伴い大阪を発し金沢に

帰国して行った。

 景勝は律儀にも徳川家康に、会津到着の日時を報告している。

 これに対し、家康は九月十四日付けで「御心安かるぺく候」と返書を

送っていた。

 二人の大老の帰国で家康は本格的に牙を磨きはじめたのだ。

 彼は篤実な豊臣政権の執政官として秀頼の補佐に努めていた。

 これは、次の一手を打つための布石であった。

 彼の矛先は秀吉の未亡人の北政所へと向けられた。秀吉の死去で側室

の淀の方が大阪城を牛耳っている現状に、北政所が嬉しい筈はない。

 これが家康と北政所とが男女の関係となっと、噂される原因となったが、

真偽のほどは分からない。

 家康は北政所に接近し、秀吉子飼いの大名を取り込む腹であった。

 一方の大阪城は近江閥で固められ、北政所の出番が減っていたのだ。

 景勝は領内の道路建設と若松城の改修を急ぎ、神指原城の築城に意を

そそいでいた。

 さらに武器弾薬、兵糧の備蓄を進め、浪人の新規召し抱えを行っていた。

 こうした処置は故太閤殿下の了解をえた事柄で、誰にもはばかることは

なかった。百二十万石の大藩の体面を整える領内統治の一環であった。

 季節は十月を迎え会津に初雪が降った。

 景勝と山城守は束の間の休息に、酒を酌み交わし大阪の情勢を語り合っ

ていた。外は越後と同じように渺渺(びょぅびょう)と強風が吹いている。

「いよいよ狸爺が本性を顕しましたな」

「大阪城の西ノ丸の件か」

 景勝が大盃をあおり兼続に問うた。

「左様、北政所さまが京に移られるや、奴は素早く西ノ丸に入ったそうです」

 両人が語るように北政所は、大阪城の淀の方一派の専横に嫌気がし、

大阪城を退去し京都の高台寺へと身を移したのだ。

「伏見城も奴は手に入れたそうじゃな」

「大阪城につぐ天下第二の城塞も手中にいたしました」

 兼続が浮かぬ声で呟き盃を干した。

「上方では狸の野望を止める者が居ないのじゃ、ところで石田殿からは

連絡があるかの」

 景勝の問いに兼続が肯き、三成の動きを語った。

「ございます。家康との合戦を想定いたし戦略は着々と整っておりますな。

ただ誤算が一つございます」

「誤算とな」

 景勝が剽悍な眼を光らせた。


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Last updated  May 24, 2012 10:39:03 AM
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