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Oct 28, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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       「改訂  上杉景勝」  (97)


 島左近はなおも語った。

「小早川秀秋さまが一万六千名を引き連れご参加なされます」

「ほう・・-」

 兼続が何か言いたげに視線を移したが、左近は素知らぬ態度で話を

進めた。

「それに長曾我部盛親殿の六千名、さらに島津殿、立花宗茂殿も

ご参陣下さると内諾を取り付けました」

 三名とも天下に聞こえた猛将大名である。

「その野戦軍を三成殿が指揮を成されますか?」

「山城守さま、それは殿には荷が重うござる。総帥は宇喜多秀家さま

にお願いいたします。宇喜多勢一万七千名を主力に小西行長勢の

六千名と我家の八千名、大谷形部さまと与力大名四千が我等の野戦

軍となります」

 左近の言葉を山城守は唸る思いで聴いていた。

「よくぞ成し遂げられました、総兵力は九万五千から六千となりますな」

「この野戦軍で家康が御当家討伐の軍勢を率い、会津に近づく頃を

見計らい上方で挙兵いたします」

 左近が語りおい冷えた酒を飲み下した。

「その予定地は?」

「関ヶ原を予定戦場として策を練っております」

 左近の返答に兼続が笑みを浮かべた、流石は石田三成である。

「左近殿、畿内は如何なされる」

「まずは伏見城を陥とします。さらに大阪に居る家康に味方する大名

家の妻子を大阪城に移し、人質といたします」

「それは火に油を注ぎませぬか」

 山城守が端正な顔をしかめた。

 真っ先に家康の陣営に馳せ参ずる者は、秀吉子飼の大名たちであ

る。一歩、間違えれば窮鼠猫を噛むの状態となろう、それを心配し

たのだ。

「これも戦略にございます」

 左近はかまわず話を続けた。

「合戦の帰趨を握るのは美濃にございます。我が石田勢は大垣城を

真っ先に攻略いたす」

 それは的を得た戦術である。

「いささか危惧がござる、野戦軍の統括までも宇喜多殿に任されます

か」

「いや、そちらは我が主の仕事と心得ております」

「・・・・・」

 山城守が沈黙した。

「わが主は人様に高慢と思われる態度がございますが、こたびの大戦

に勝利する為に我慢をいたすよう、ご諫言申し上げております」

 左近の口調に歯切れが悪い。

 山城守は、こたびの大戦の戦略を練り上げ実行した三成の器量を

見直していたが、それもこれも烏合の衆の集まりである。

 三成の態度いかんで脆くも瓦解する恐れがある。三成が高慢な態

度をとらぬように、心から願っていたのだ。

「あれやこれやと心配いたしても何の慰めにもなりませんな。左近殿

にお任せいたす」

「かたじけのうございます」

 豪放磊落の態度で知られた、島左近が身を固くしている。

「左近殿、信州に面白き人物が居ることをご存じか?」

 山城守が話題を変えた。

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Last updated  Oct 29, 2012 05:38:59 PM
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