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Oct 30, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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       「改訂  上杉景勝」  (98)

「上田城主、真田昌幸(まさゆき)殿にございましょう」

「承知にござったか、いらざることを申し上げた」

 山城守の言葉に左近がにやりと笑みを浮かべ、言葉を継いだ。

「既にお味方にござる」

 山城守が左近に訊ねたのには真意があったが、左近も三成もこの戦略

を立案するさいの、家康の動きを何度となく考え思案をめぐらしてきた。

 それは挙兵の時期であった。二人は家康が会津の国境に近づいた頃を

見計らって挙兵すると決意したのだ。

 それには根拠があった。家康は味方する大名の軍勢を率い大阪から

会津に向かう筈である。会津征伐の合戦が始まろうする時期を見計らい、

時をうつさずに、関ヶ原の要衝の地に陣を張る。

 その報せを受けた家康は、ひとまず会津攻略戦を止め関ヶ原へと

軍勢を返すであろう。そう三成と左近はよんだのだ。

 その上、家康は江戸に居る将軍秀忠を総大将とし、徳川家の精鋭部隊

を関ヶ原に呼ぶとよんだのだ。

 秀忠も家康も軍勢を信州から、急遽、関ヶ原に向かわせるだろう。

 これも三成は戦略として見通したのだ。

 その徳川家の軍勢を信州で阻止するには、真田昌幸という武将の

力が必要であった。それは山城守も同じ考えを持っていたのだ。

 この真田昌幸と言う男は禄高、五、六万石の田舎大名であったが、

奇妙人として天下に知られる存在であった。

 戦術家として局地戦では彼の右にでる者は居ないと見なされていた。

 その昌幸は稀にみる家康嫌いであった。故太閤秀吉に心酔することは

滑稽なほどで、日夜、秀吉の画像に香を焚き、礼拝を欠かすことがなかっ

たと言われる武将であった。

 三成は昌幸に書状を送り、勝利の暁には甲斐、信濃の二ヶ国を

与えると書き送った。

 昌幸にとって生涯に二度とない機会であった。まして彼の次男の幸村

の室は、三成の盟友の大谷刑部の娘であった。

 彼は二つ返事で同意したのだ。

「流石は島左近殿じゃ、上方の形勢は盤石とみました」

 山城守の返答に、左近が嬉しそうに寂びた声をあげた。

「天下の山城守さまのお墨付きにござる、安堵いたしました。だがこの

策は我が主の描いたものにございます」

「左様か、三成殿とは若き頃からのと友垣(ともがき)。五奉行筆頭とし、

力量は群を抜いておりましたな」

 山城守が遠くを見る眼差しを左近に見せている。昔、越水城で

遭った頃の、若々しい三成の顔が懐かしく思い出された。

「さて、我が上杉家の現状をお話しいたす」

 直江山城守の白皙の顔つきが厳しく変貌した。

「お聞きいたす」

 島左近が居住まいを正した。

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Last updated  Oct 30, 2012 11:35:55 AM
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