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Nov 11, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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       「改訂  上杉景勝」  (107)


「お屋形、とうとう石田殿は念願の挙兵を成し遂げましたな」

「英雄じゃな」

 景勝が驚嘆の色をみせ、ぽっりと一言発した。

「左様にございますな、佐和山城十九万石の身代で西国雄藩の大名を

お味方とし、西軍の影の総帥となられました。たいした人物にございます」

「伏見城を陥して大垣城に入城されたと聴いた」

 景勝が遠くを見る眼差しをしている。

「島左近殿が言われたように、美濃が正念場となりましたな」

「山城、主戦場は関ヶ原か?」

「左様、それがしはそうよんでおります」

「西軍は九万余の大軍じゃ。既に畿内と美濃で戦線を動かしておるが、

狸め今もって小山の地で滞陣をしておる。奴の今後の動きをどうみる」

 景勝が扇子で腿をたたき、白皙の顔をした山城守に訊ねた。

「家康と共に小山で陣を敷く大名らの大半は、豊臣恩顧の大名にござる。

総勢は六万とみております。・・・・恐らく家康は石田殿の挙兵の報せで

撤兵を考えておるものと思います」

「奴め、どのような理由で諸大名等を説得するか見ものじゃな」

「毛利輝元さまの大阪入城で西軍が、豊臣家の正当な軍勢となりましたな」

「山城、そちもわしも真正直者じゃな。人は利に弱いと聴く」

 景勝が剽悍な眼差しで山城守を見つめた。

「これは驚きました」

 景勝から、このような言葉を浴びせられようとは思わず、山城守の顔に

困惑の色が奔りぬけた。

「上方の千坂影親からの報告で知った。太閤殿下の死去で次の天下人は

徳川家康じゃと申す輩(やから)が圧倒的に多いそうじゃ」

「お屋形は石田三成殿に同調した大名のなかに、家康に内通する者が居

ると申されますのか?」

 常になく山城守の口調が強まった。

「上杉家の家法に馴染んだわしには信じられぬ事じゃがな」

 心なしか景勝の口調に苛立ちが込められている。

「恩と利害の戦いと仰せにござるか?」

「わしにも今は分からぬ」

「醜い世の中になりましたな」

 山城守は大阪の様子を想像した。お屋形の言う通り冷静に判断すると

一抹の不安が募ってくる、西軍総帥の毛利輝元は大阪城に籠って戦意

の欠けらも見せていない。彼こそが率先し野戦を指揮する立場の筈であ

る。それに代わり石田殿が身代の大きな諸大名を指揮し戦線を動かしてい

る。どう贔屓目に見ても三成と言う武将は、戦塵の先頭で指揮を執る武将

ではない。帷幄の中で千里を展望し策を巡らす戦略家である。

 山城守が沈黙し思案している。その態度を景勝は眺めながら一言も発せ

ずにいたが、沈黙を破った。

「ところで我が家の軍勢の様子はどうじゃ。万一、奴が我が家の国境を

犯すようなことがあれば、徹底的に叩き潰す」

「既に白河口には三万名の将兵が集結を終えております。この若松城には

一万五千名が籠っております、いざとなれば一斉に押し出します」

「そうか、巧くゆけば家康の首が拝めるの」

「御意に」

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Last updated  Nov 12, 2012 10:46:05 AM
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