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Nov 13, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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「改定  上杉景勝」 (109)


「お屋形はなにを考えておられます。合戦とは勝機にござるぞ、勝てる

時に仕掛けねば、勝てる戦も勝てませぬ。追撃戦こそが上杉の戦法」

 珍しく山城守が口調を強め、景勝を詰問した。

「山城、そちは忘れたか。我が家は義と信を奉ずる家柄じゃ、敵の逃げ

去る背後に攻め懸けるなんぞは、我が家の家法に恥じることじゃ」

「それは詭弁に存じます。何の為に苦労してきたのかお屋形はご存じの

筈にござる。言うまでなく内府の専横を質し、豊臣家の繁栄と安泰を願う

為にござった」

 初めて主従の意見が異なった。

 景勝は若き頃から、数々の合戦を経験し生き抜いてきたのだ。武将とし

て関ヶ原で敵味方の軍勢が十数万名で覇を競うのだ。この日本で経験し

たことのない大戦である。

 それを思うと戦国武者として身内から、熱い血潮が滾ってくる。

「わしも西軍の一員として堂々と関ヶ原の合戦に臨みたいが、それは無理。

それには兵力が不足じゃ。よって最上領を先に占拠したいのじゃ」

「最上領に進撃いたせば、伊達政宗が黙ってはおりませぬぞ、必ず我が

領土に攻め込んで参ります」

「それも承知じゃ。手をこまねいておっても狸の味方をして我が背後に軍勢

を出して来よう。最上義光もそうじゃ」

 歴戦の景勝は伊達政宗と最上義光の動きをよみ切っていた。

 山城守が言葉を飲み込んだ。主、景勝の心中は痛いほどに理解ができ

る。併し、彼の明敏な頭脳に一抹の不安が過っていた。

「もしも我等が最上攻めの最中に、西軍が敗れるような事態となれば如何

成されます」

「杞憂じゃ。西軍には島左近と真田昌幸が居る。そんなに早く勝敗の決着

は就かぬ、天下に軍師の名を轟かす直江山城守が何を恐れる」

 景勝がまたもや剽悍な眼差しを見せつけた。

「あまりにも巧緻な戦略ですぞ。万一の場合、我が上杉家は家康の前に

膝を屈することになりましょうぞ」

「案ずるな、西軍に負ける要素はない。わしは最上領を手に入れ背後の憂

いをなくし、精兵を率いて関ヶ原に向う。これがわしの夢じゃ」

 主人、景勝の命令は絶対である。

「承知つかまつりました。内府が小山から軍勢を反転いたしても追撃の

軍勢は動かしませぬ、併し我が領内に攻め寄せる気配を見せたら容赦なく

攻撃をいたします。宜しうござるな」

「了解いたしたか、わしの夢を叶えてくれえ」

 山城守は主人の景勝の意を呈し、急使を各地の城塞に派遣し、最上領へ

の出陣を命じた。

 そんな七月二十五日に若松城に急使が駆け付けて来た。

 伊達勢に対する最重要拠点の白石城の落城の報せであった。

 前日の早暁、俄(にわ)かに伊達勢の大軍が攻め寄せて来たのだ。

 あいにく守将の甘粕影継は、徳川対策の為に若松城に出張中であり、

白石城は弟の登坂式部が与っていたのだ。

 家康から味方の要請を受けた伊達政宗が、素早く行動を起こしたのだ。


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Last updated  Nov 14, 2012 12:21:57 PM
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