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Nov 15, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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「改定  上杉景勝」 (110)


 もともと白石城は伊達家の城塞であった。政宗は家康の要請を受け、

好機到来とばかりに、白石城の取りもどしを謀ったのだ。

 白石城に籠る上杉勢は果敢な抵抗をみせてが、政宗は一万余の大軍を

擁し、猛烈な攻城戦を仕掛けた。

 城代の登坂式部は衆寡敵せずとみて降伏開城した。

 流石は奥州の覇者と異名をとる、伊達政宗の素早い攻撃であった。

 その急報に接した景勝は激怒した。既に最上攻めを命じていたが、

急遽、伊達勢に対しても交戦するように下知を発した。

 景勝も山城守も伊達の背後に家康の翳を見ていたのだ。

 上杉が最上領に進撃を開始すれば、当然、伊達勢とも戦うことになる。

 ならば今、戦いを開始してもなんら不都合は起こらない。

 上杉家の内情がこのように変化している中、下野の小山の徳川勢の

陣営では、家康が肥満した体躯を大広間へと足を進めていた。

 陣営の大広間は粗末ながら、屋根が葺かれ周囲は幔幕で覆われていた。

 そこには床几に腰を据えた諸大名が全員、顔を揃えている筈である。

「福島正則は大事ないか?」

 家康は先導する本多正信の痩身に声をかけた。

「黒田長政殿の籠絡が功を奏しております」

 本多正信の返答に家康が満足そうに肯いた。

「歳を経ると暑さがことのほか堪える」

 独り言を呟き、家康が平服で大広間に一歩踏み込んだ。

 既に諸大名たちが揃っていた。福島正則、黒田長政、池田輝政、

細川忠興、浅野幸長、加藤嘉明等の豊臣恩顧の荒大名が座の中央に

集まっている。その他の諸大名は遠慮して彼等から離れている。

 家康が上座に腰を据え、傍らに本多正信、榊原康正、本多平八郎の

顔も揃っていた。

「すでにお聞きおよびと存ずるが大阪表で五奉行共が、淀の方さまと

幼い秀頼公をあざむき、内大臣を討たんとする暴挙が出立いたした」

 本多正信が塩辛声を張りあげた。

「おおかた佐和山の治部少輔の差し金でござろう」

 真っ先に福島正則が大声をあげた。家康は口を閉ざしいささかも態度を

変えずに座している。福島正則が最初に言葉を発したことで、この分では

巧くゆきそうじゃなと、内心、ほくそ笑んでいた。

「妻子を大阪城に人質として捕えられておられる方々も居られよう。また、

豊臣家の恩顧を大切に思われる方々も居られましょう。そのようなお人は

去就を自儘になされ、今から陣を払い領国にお戻りなされよ。遺恨には

感じ申さぬ」  ここぞとばかり本多正信が声を張りあげた。

「あいや、待たれよ」

 一同を制する如く福島正則が立ち上がった。

「余人は知らず、この左衛門太夫は治部少輔に味方する気持ちはござらん。

拙者は内府殿にお味方つかまつり、その先鋒を賜りたい」

 この一言で日和見の諸大名は一瞬、沈黙したが、次々と全員が賛意を

しめした。

「拙者、内府殿に掛け合いがござる」

 声の主は遠州掛川六万石の大名の、山内一豊であった。

「これは対州殿、何事にござる」

 家康が垂れ下がった瞼の奥から眼を光らせた。

「お味方の証といたし、我が領土と城を内府殿にさし上げます」

「なんとー・・・」  家康が声を失っている。

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Last updated  Nov 15, 2012 11:26:39 AM
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