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Nov 23, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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「改定  上杉景勝」 (114)


 景勝と山城守は家康の心の襞を見極めていた。それ故に今回の

合戦は長びくと判断した。上方に東西の大軍が睨みあっているうちに、

最上領を傘下に治め、後顧の憂いをなくし大軍を率いて上方に向かう。

 それには家康の江戸出陣が遅くなるほど有利となる、とよんでいた。

「狸が江戸を発つ気配をみせたら、我等も総力を挙げて上方に向います」

「それて良い、これが上杉家の戦略じゃ」

 これを何度となく二人は語り合い、確認しあったのだ。

 翌朝、直江山代守は米沢城に去って行った。

 尾張清州城の大広間で軍議が開かれていた。家康が派遣した軍監の

本多平八郎忠勝と、井伊直政は、豊臣恩顧の大名の首領格の福島正則

にすべてを任せていた。

「本多殿、内府はなぜ江戸を出陣成されぬ?」

 福島正則が苛立ちを隠さず、本多平八郎に詰め寄っている。

 徳川家の家中でも名を知られる、本多平八郎が平然とした顔つきで

正則の顔を見つめ、口を開いた。

「ここに集いし諸侯の皆様方は、東軍にございますな」

「痴れたことを申されるな」

 福島正則が顔を真っ赤にして大声をあげた。

「福島さま、この城の軍勢はいかほどにございます」

「・・・・三万余名をこえる大軍じゃ、本多殿は何が申されたいのじゃ」

「その大軍が西軍の活発な動きを見ながら、城に籠っておっては内府は

江戸を発ちますかな」

 井伊直政が仰天することを平然と言ってのけたのだ。

「なんと・・・・」

 正則が絶句し本多平八郎に、掴み掛るような態度で睨み据えている。

 一色触発の状況となり、一座の諸大名が正則の態度を凝視している。

 その静寂を破り哄笑をあげた武将が、ほかならぬ福島正則自身であった。

「間抜けたものじゃ我等は。内府は我等に自発的な攻撃を示唆されておら

れるのじゃ。従って我等は西軍前衛の岐阜城を攻略いたす」

 福島正則が諸大名の前に仁王立ちとなり、大声を張り上げた。

 本多平八郎と井伊直政は内心、ほっとした。居並ぶ諸大名も家康の心情

を理解したよぅだ。

 まさに福島正則という武将は摩訶不思議な男であった。己が豊臣家恩顧

の大名たる身分を忘れ、家康という武将の飼い犬に成り下がったことを未

だに知らずにいるのだ。

「その前に木曽川を渡河せねばなるまい」

 荒大名の一人、池田輝政が満座で吠えた。

 大広間の軍議は徳川家の軍監を抜きにして豊臣恩顧の大名達によって

進められている。

「三左(輝政)、われは昔、岐阜城の城主であったの。わし同様にこの辺り

の地理には詳しいな、軍勢を二つに分けよう」

「よかろう」

「わしは上流の河田を担当し、竹ケ鼻城を陥し岐阜城に向かう。三左は

下流の尾越から搦め手に向え」

「その案には異存がある。左衛門太夫、われが尾越から攻めよ」

 輝政の言う河田は浅瀬で渡河が容易であり、岐阜城の大手門に近い。

 それを池田輝政が指摘したのだ。

 ここでも功名手柄争いが始まったのだ。

「首領のわとの下知に従えぬと申すのか」

 何しろ二人とも荒大名として聞こえた豪の者である。すかさず本多平八郎

が仲裁に入り、福島勢が搦め手を担当することになった。

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Last updated  Nov 23, 2012 12:29:15 PM
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