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Nov 27, 2012
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カテゴリ:改訂  上杉景勝
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「改定  上杉景勝」 (116)


 この頃、家康率いる東軍の主力は、大阪の地に足を踏み入れていた。

 家康の表情は日ごとに変化している。信州を進む秀忠の大軍は真田勢の

攻撃をうけ、甚大な損害をだし、未だに進撃が出来ずに足止めを食らって

いる。それもこれもすべて真田昌幸、幸村親子の所為であった。

 これが原因で関ヶ原合戦に秀忠も、徳川直営軍三万数千名までが、

合戦に間に合わないという不名誉を被ることとなるのだ。

 家康は西軍に加担する諸大名に対し、盛んに調略の手を伸ばしていた。

 既に西軍から東軍に加担すると正式に回答した大名には、脇坂安治、

小川裕忠、高橋元康、秋月種長、相良長毎、鍋島直茂の諸大名であるが、

家康は未だ満足してはいなかった。

 彼の最大の標的は豊臣連枝の小早川秀秋であり、毛利家の吉川広家

であった。彼は二人を取り込む為に盛んに書状を書き送っていた。

 まさに調略に精をだし、謀略に明け暮れる日々を過ごす家康であった。

 九月十二日、畑谷城の将兵は仰天することになる。

 夜明けを迎え周囲が白々と和む頃、城の周囲はびっしりと上杉勢に

包囲されていたのだ。

 山城守は上杉勢の全軍を秘かに行軍させ、畑谷城から蟻一匹逃さぬ

包囲網を構築したのだ。

 幟(のぼり)、旌旗、指物が風に靡き壮観な眺めである。

 山城守は降伏開城の使者を派遣したが、守将の江口五郎兵衛が

大手門に姿を現し、「戦わずに降伏するは武士の作法にあらず」と、

戦場焼けした塩から声を張り上げ、この提案を一蹴した。

 上杉勢の本陣から母衣武者が色部光長の許に駆けつけた。

 山城守からの攻撃の下知であった。

 大手門の前に位置する先鋒隊の色部勢が無言で動き出した。

 鉄砲隊を先頭として長柄槍隊が後続し、大手門へと押し出している。

 勁烈な法螺貝の音が響き、将兵たちの喊声が沸き起こった。

 畑谷城の前面には水をたたえた濠が横たわり、その奥に大手門がある。

 敵兵が銃眼から銃口を突き出している様子が望見できる。

 色部勢の鉄砲足軽も火縄に点火し、濠の前に折り伏し攻撃を開始した。

 轟々と銃声が轟き、硝煙の臭いと白煙で周囲は全く見えなくなった。

 だが畑谷城の将兵は猛然と反撃を開始し、城内からの銃撃をまともに

食らい、色部勢は後退の憂き目にあった。

 山城守は直ちに戦法を転換した、城を見下ろす金森山に鉄砲隊を配置

し、銃撃を加えた。この攻撃で畑谷城は甚大な損害を被ったのだ。

 江口五郎兵衛は今はこれまでと悟り、大手門を八の字に開き猛烈な

突撃を敢行した。これに対し、色部勢が突撃を食い止めている。

 それを見ていた上泉泰綱が五百名の兵士を率い、猛烈果敢な攻撃を

しかけた。この突撃は凄まじいもので、泰綱は敵と接触するや騎乗から、

三名の兜武者を瞬く間に血祭とした。

 この上杉勢の突撃で江口五郎兵衛は、壮烈な討死を遂げ畑谷城は

落城した。この緒戦で上杉勢は五百の首級を得た。


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Last updated  Nov 27, 2012 01:01:15 PM
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