樹氷
朝起きたら、今日も外が霜と樹氷で真っ白になっていた。定点観測の台所から見たいつもの風景。ここのところ朝晩の冷え込みが厳しく、日中も氷点下のまま。***(金曜日)霧が濃い。出勤途中の汽車の中から。なんだか霧を感じたくなって、いつもの新幹線をやめて、各駅停車の汽車に乗った。途中の駅で停車した時にパチリ。会社の近くで。ただでさえ遅くなっているのに、途中で写真なんか撮っているからギリギリでセーフだった(汗)…***夜になると霧が立ち込めて、ゆらゆらしている。仕事が終わって深夜、一人で霧をかきわけるように歩いていたら、ヘルマン・ヘッセの詩、「Im Nebel (霧の中)」を思い出した。霧の中をさまようように歩く、この感覚、日本にいた時には わからなかった。やっぱりドイツ人の詩だね。***今日・土曜日は、クリスマスの買出しに出た。青空も広がって、バス停に向かう川岸は雪でも降ったように霜で真っ白になっていた。久しぶりに広がった青空が気持ちいい。木の下を歩くと、木の枝についた樹氷が、雪のようにパラパラと落ちてくる。降水確率はここのところ、ずっと0%のまま。でも、これなら雪が降らなくても、十分「ホワイト・クリスマス」になりそうだ。クリスマスまであと2日。***霧の中 不思議だ、霧の中を歩くのは! どの茂みも石も孤独だ。 どの木にも他の木は見えない。 私の生活がまだ明るかったころ、 私にとって世界は友だちにあふれていた。 いま、霧がおりると、 だれももう見えない。 ほんとうに、自分をすべてのものから 逆らいようもなく、そっとへだてる 暗さを知らないものは、 賢くはないのだ。 不思議だ、霧の中を歩くのは! 人生とは孤独であることだ。 だれも他の人を知らない。 みんなひとりぼっちだ。 「ヘッセ全集10 孤独者の音楽」高橋健二 訳新潮社 より(原文)Im NebelSeltsam, im Nebel zu wandern!Einsam ist jeder Busch und Stein,Kein Baum sieht den andern,Jeder ist allein. Voll von Freunden war mir die WeltAls noch mein Leben licht war;Nun, da der Nebel faellt,Ist keiner mehr sichtbar. Wahrlich, keiner ist weise,Der nicht das Dunkel kennt,Das unentrinnbar und leiseVon allen ihn trennt. Seltsam, im Nebel zu wandern!Leben ist Einsamsein.Kein Mensch kennt den andern,Jeder ist allein. Hermann Hesse