ダイニングバー プラネット
東と南に面した大きい窓を開けると、清々しい風が吹きこみ朝日が差し込む。 「う~ん、気持ちいいっ。正月も終わったし、サア、またバリバリやるっちゃ」 大きく延びをして頭にバンダナを巻いたオーナーシェフの遊子さんがフロアモップの絵に跨(またが)って窓の外に飛びだした・・・なんてことはない。 一通りの掃除を大雑把に仕上げるとフロアの生花を活け変え、料理の下ごしらえを始める。 「遊子さん、お早うございます」 開け放ったままのドアから目鼻立ちがハッキリした美しい女性が入って来た。 「オウ、久美ちゃん、仕事順調かい」 美容部員時代の後輩小津久美子を優しく包み込むように見る遊子さん。 「遊子さん、わたしね、九州に帰ることにしたの。イトコがケーキ屋さん始めるから手伝ってくれないかって・・・だから。。。夕方の新幹線で帰るわ」 「サミーは?あなた別れたの」 「いいの。あんなヤツのことなんかどうでも。オレゴンに帰ってバッファローと遊んでりゃいいのよ」 「ふーん、そうなんだ。アンタもいなくなるのか、ちょっと寂しいぜ」 「両親も年取ったしサ、この辺が退(ひ)け時かもネ」 「イナカ引っ込んだら、いっぺんに老(ふ)けるよ」 「そーんなにイナカでもないのよ。新幹線の駅だってあるし、空港までだって1時間半もあれば行けるから、トランジットでアメリカにも簡単に行けるし」 「やっぱり、サミーに未練があるんだね」 「ないわよ、ぜーんぜん、ない。そりゃ、彼はいい人よ、ハンサムだし、リッチだし、だけど、わたし、あんなモテモテなヤツより、もっと、素朴な人が好きなの」 「素朴・・・そんなヤツいるかい」 「いるわよ、ホラ、楽天ブログの酔櫻さんみたいなヒト!」 アーア、酔櫻の初夢ストーリー、これにて一件落着。 新年早々、お付き合い下さって有難うございます。。。チャンチャン ^0^