カテゴリ:酔人の戯言
うちの娘が休みの日にまとめ録りしていたNHKの「とと姉ちゃん」の冒頭に流れる 「普段から~ メイクしない きぃーみぃーがー」という、聞き慣れた声が耳から離れず…。 ふーん。宇多田ヒカルって、「人間活動」宣言して、音楽活動を休止してたけど 再開したんだぁ。それにしても「愛しい人」に、何で「涙色の花束」を贈るんだろ とか疑問に思ってた訳ですよ。 で、9月の終わりに、たまたま偶然、NHKの「SONGS」と言う番組を観て、謎が解けました。 この曲って、男女の恋愛について書いた曲ではなくて、数年前に亡くなった母親である 「藤圭子」さんへの想いを歌った鎮魂歌(レクイエム)だったんですね。(たぶん) 出だしの 「普段からメイクしない君が薄化粧した朝」 「始まりと終わりの狭間で」 「忘れぬ約束した」 これって、母親とのお別れの日を歌った曲なんだなって、勝手に想像したら、 アラフィーヲヤジもグッと来て、思わず買っちゃいました。 「Fantome(ファントーム)」。
離婚、再婚、出産、別離を経験し、人間的にも深みを増して、8年振りにリリース された本作「Fantome」のタイトルは、フランス語で「幻影」「まぼろし」とか言う 意味ですが、このアルバム、母親への想いを綴った曲の他、不倫やLGBTについて 歌っていると思わせる曲や、椎名林檎を始めとする個性的なアーティストとフィー チャーしている曲など、チャレンジで、抒情的で、幻想的なんだけど、ある意味、 ちょっとドロッとした大人の内面の世界を描いた曲が、散りばめられていると思います。 そんな中で、一番気に入ったのは、「道」。 宇多田本人が出演しているサントリーの「天然水」のCM曲にもなっているので、最近 よく耳にすると思います。 「It's a lonely road… ふ、ふ、ふ…」って、アップテンポのやつ。 これも母親と本人について歌ったと思わせる曲で、これからは一人でひたむきに歩いて 行くけど、「あなた」がいつも見守ってくれているから歩いて行けるよ、的な内容です。 「転んでも起き上がる」 「迷ったら立ち止まる」 「そして問う あなたなら」 「こんな時どうする」 <中略> 「私の心の中にあなたがいる」 「いつ如何なる時も」 「一人で歩いたつもりの道でも」 「始まりはあなただった」 「It's a lonely road」 「But I'm not alone」 <中略> 「私の心の中にあなたがいる」 「いつ如何なる時も」 「どこへ続くかまだ分からぬ道でも」 「きっとそこにあなたがいる」 「It's a lonely road」 「But I'm not alone」 ヲヤジ自身も、すでに両親とも別離していて、同時に、守るべき家族があって、 自分も頑張って歩いて行かないといけないな、と励まされる曲ですね もう決して若くない作者(失礼)が、ちょっと青臭く、センチメンタルになりすぎた 歌詞に、照れ隠しなのか、 「そんな気分」 で、締めているのも、彼女らしい言い回しですね。。 それにしても、声の質に円熟味が増して、ビブラートやこぶし回しがお母さん そっくりになって来ましたね… 「十五 十六 十七 とぉ~」 「わ~たしの じーんせいぃ くらぁかったぁ~」 お母さんの往年の大ヒット曲を思い出させます。 それにしても良い味出してます。彼女の声。 ヲヤジにも沁みる歌声です。 様々な人生経験をした大人の方にこそ、お奨めしたいアルバムです
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