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福島第一原子力発電所の事故から2年が経とうとしています。 現場の原子炉のみならず、飛散してしまった放射性物質の除染が大きな問題となっています。 これに対し、様々な業種が、それぞれの得意分野からのアプローチで研究を行っています。 そして、フィルターによる除去や、地面に飛散したものを固定化する方法など、事故後に 始まった企業や大学、公的機関による研究がそれぞれ成果を出してきています。 そして、速報としてこのような技術が報告されました。 「 放射性セシウム光らせ、確認できる検出薬を開発 」 セシウムを検出する 蛍光プローブ を開発したのは、 独立行政法人物質・材料研究機構 。 こちらに研究に関するプレスリリースがあります ⇒ 物質・材料研究機構のページ 私の専門分野、 化学 の力による検出方法、というわけで紹介しないわけにはいきません この 蛍光プローブ は セシウム が存在すると 緑色の蛍光 を発する性質をもちます。 その性質を利用して、固体表面に分布する セシウム の位置を目で確認できるのです。 これまでの技術と違う点は、ミリメートル以下の精度で セシウム の分布を可視化できること。 私なりに簡単にまとめると、 この試薬を溶かしたアルコール溶液を霧吹きでシュッシュと吹き付けて、紫外線のランプを 当てた時に 緑色に光る ところに セシウム がある、と分かるということです。 花粉のような小さなものでも見ることができ、汚染の度合いや分布を知ることができるため、 これまでのようにいちいち検査に回さなくてもその場で分かるようになると思われます。 「 この廃棄物、汚染されているかな? 」 と思ったら、それが木であれ、土であれ、 試薬を吹き付けて、ランプを当てれば目に見える。 今までは、疑わしいものはすべて汚染されていると判断したり、少しでも汚染が見られると、 そこにあるものすべてが汚染されていると判断せざるを得ませんでしたから、 この方法により、 「 汚染 」 廃棄物の量が確実に減らせます。 そして、固体の表面だけでなく、生体や試料中の分布も見ることができるので、 例えば、海藻やキノコ類、野菜、魚などにふくまれている セシウム が簡単に分かります。 濃度の高いところが分かれば、食物連鎖による セシウム の分布が分かるようにもなりますし、 ホットスポットになりやすいところも、その場で見ることができるかもしれません。 今まで、線量計の示す値だけで何とか探し当てていた、目に見えなくて不安だったもの、 それが(特殊な試薬が必要とはいえ)目に見えるようになる。 これは、大きな第一歩になるかもしれません。 研究の続きに期待したいと思います。 どんどん良い技術を生み出して欲しいものです。 ↑ ぽちっと応援よろしくお願いします お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 23, 2012 08:50:59 PM
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