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<終わりへと続く間章>
やっと塔に着いた。 何日とぼとぼ歩いたか分からない。 しかし見上げてもその塔の頂上は見えない。 そしてすこしたってようやく中に入る決心がつき、 中に入った。 中には 大量の本、本、本があった。 そして螺旋状の階段があり、その階段に沿って本棚はあった。 なんだこのおびただしい量の本は?と私は思った。 試しに一冊の本を読んでみることにする。 ××××年○月□□日 私は恋をした。 私は貧乏で相手はたいそうなお金持ちだった。 身分の違いすぎる恋だった。 以下年号は省略することにする。 ○月××日 日に日に恋の思いは募っていく、 もう胸が張り裂けそうでどうにかなりそうである。 ○月○○日 今日ある計画を練った。 もう私には狂うしか道がない。 それが世間的に悪だと分かっていても。 決行は一週間後だ。 ×月○○日 彼女を拉致し、 そして彼女を陵辱した。 そして彼女を殺し、 私は、彼女を殺した拳銃をこめかみにあて、 そのトリガーを引いた。 この日記を読んでくれた人へ言いたいことがある、 決して間違えても私のようになるな。 そんな本だった。 重要な事だけ省いて読んでいるが、 この本には人の人生が最初から記載されている。 何冊か読んでみると分かった。 此処にある本は全て、人生に絶望を抱いて死んでいった人の記録だと。 どうせ私も絶望していて時間もたっぷりあるのだ、 この本を全部読みながら上がっていくのも悪くないと感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年02月11日 21時27分31秒
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