温泉の作り方
平成16年度の環境白書によると、平成14年度末現在、全国の温泉湧出源泉数は2万7,043本だそうです。なんともすごい数字ですね。さらに、全国の温泉地における宿泊利用者数は1億3,794万人。つまり、国民一人あたり1回は温泉に行ってる計算です。いや~! びっくりしました。日本人は本当に温泉好きな国民ですね。そういう私も、温泉の魅力に取りつかれたひとりです。温泉につかるとなぜ疲れがとれたり、お肌がつるつるになるのだろう。水道水を沸かしたお風呂ではそんな効果ありませんよね。みなさんも、不思議だと思いませんか?せっかくの自然の恵みを生かせるように、温泉の基礎知識について勉強してみましょう。◆温泉の仕組み 意外に知られていない、源泉の造り方。温泉とは、簡単に言えば地中から湧き出してくる暖かいお湯。でも、そのお湯が浴槽に張られるまでには、さまざまな過程があるのです。温泉にもいろいろあって、温度の低いものから、蒸気で噴出してくるものなど、場所や地形によってさまざまな温泉としての形があるのです。●噴気温泉一般に、○島や○○院・○府などのように、あたり一面に温泉の蒸気が噴出しているところは、源泉は100度C以上の噴気で出ているところが多いです。このようなところでは、井戸水や川の水をタンクに貯めて、この蒸気を吹き込んで温泉を作っています。 ですから、温度が高くて80度C以上の高温温泉となることが多いのです。 このままでは、熱すぎて浴槽には使えませんから、さらに水で薄めて適温にしてから2次タンクに貯めて浴槽へと給湯されます。高温のお湯は、それだけ熱エネルギーを持っていますから、その熱源を暖房に使ったり、厨房の温水給湯の熱源として2次利用しているところもあります。熱交換システムと呼ばれる装置を使って、真水を温めて利用するのです。高温の温泉ほど、シリカやカルシウム・硫黄など、たくさんの溶存物が溶け込んでいますから、冷えるにしたがって溶存物が析出し、スケールと呼ばれる固い析出物が配管などの中に詰まり、メンテナンスが大変です。中には、塩酸とか化学薬品で洗浄しないと、なかなか落ちずに定期的にワイヤ-ブラシの付いたポリピッグというという大砲の弾のようなものを配管に通してはがし落とすことも試みられています。●高温泉42度以上の温泉を分類上高温泉と呼びます。次回は、この高温泉についてお話します。