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ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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2004年06月23日
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★「発想はアイデアの組み換えで生じる。模倣なくして創造なし。」(p29)

★「知識が多い人ほど、新しい組み合わせを見出す可能性が高まる。」(p36)

★「発想の条件は、考え続けること」(p66)  

★「仕事を始めさえすれば、そして、それについて

  考え続けさえすれば、アイデアは出てくる。」(p252)


【サラっとく?】


●これまで幾度か、「アイデア本」「発想法」といった類の本を紹介してきました。

 しかし、ここまで周到な調査と、論理的な証拠に基づいて書かれている本は、

 かなり稀だと思います。それは参考文献が70を超えていることからも明らか。


●これからの時代は、「無から有を生み出す力」すなわち「発想力」がこれまで

 以上に大きな意味を持ってきます。と、いうより、これから日本は、

 それなくして生き残れない時代に突入すると考えられます。


●これまではどれだけ高い「平均点」が取れるか…それが企業、ましては国の力を

 決めてきました。その時代に必要だったのは完全なる「模倣」。日本が戦後、

 日本型経営のもとで、大きな成長を遂げられたのもこのためです。

 「出る杭は打たれる」なんて言葉が、社会通念となったのもこの時代でした。


●しかしIT革命というのは基本的に、必要とする労働者数を減らすプロセスです。

 そこでは「模倣」で高い平均点を取るよりも、「発想」でずば抜けた得点を取る

 ことが必要になってきます。その証拠に、ビル・ゲイツとポール・アレンの作った

 マイクロソフトとその関連企業の時価総額は、韓国のGNPを超えています。


●現在既に、頭を使わない単純労働は、海外にアウトソースされ、

 「企画部」だけしか存在しない企業なんかも、出現し始めています。

 科学技術の発展により、近い将来「語学の同時通訳」「簿記の自動計算」

 といったものは必ず可能になるでしょう。そうなれば現在の翻訳業や経理

 といった職業は失われ、「発想力」に対する比重は一層高まってゆくはずです。


【突っ込んどく?】


●ではその「発想力」を身につけるためにはどうしたらいいのでしょうか?

 そもそもアイデアの「閃き」なんてのは、ごく一部の才能ある人にだけ

 与えられた能力なんじゃないの?そんな疑問に見事答えてくれるのが本書。


●「発想はアイデアの組み換えで生じる。模倣なくして創造なし。」(p29)

 これは意外でしょうか。アイデア本の古典といわれる「アイデアの作り方」で

 著者J.ヤングも「アイデアは異質のものの組み合わせすぎない」と述べています。

 音楽家のモーツァルトも、もともと模倣の天才だったといいます。


●これらの例は、「発想力」というものが、訓練次第で誰でも

 身につけられることを示しています。では、アイデアが単に組み合わせに

 過ぎないとしたら、まず我々は何をする必要があるでしょうか?

「知識が多い人ほど、新しい組み合わせを見出す可能性が高まる。」(p36)


●そう、まずはデータを集めて、徹底的に知識を詰め込むこと。

「アイデアなんて特別な人だけに降ってくるもの」なんて言ってる人に限って

 この最も基本的な作業を怠りがちです。いいですか、覚えておいてください。

「材料がなければ、どんな優れた料理家も、料理を作り出すことはできない。」



オススメ度★★★★☆

→学者、開発者、経営者

 21世紀を賢く生き残りたい方

 クリエイティブであり続けたい方





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最終更新日  2004年06月27日 02時57分31秒
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