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ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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2004年07月09日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
★「互いに重ならず、すべてを網羅する」(p23)  

★「その問題は本当に解決すべき問題なのか。」(p38)
 
★「手に握っているのがハンマーだけだったら、

  問題という問題がぜんぶ釘に見えるだろう。」(p44)

★「今日学んだ最も大事な三つのことはなんだろう?」(p77)

★「いつも一人ですべてをするのは不可能だ。」(p79)


【サラっとく?】


●マッキンゼー・アンド・カンパニーというのは、おそらく世界で最も有名な

 戦略コンサルティング会社。全世界に70以上の支社を広げ、米「フォーチュン」

 トップ100の大企業や、連邦政府省庁といった「超」大手顧客を抱えています。

 そう、まさに泣く子も黙る、国際ビジネス界の「一流ブランド」なのです。


●かつて東京都知事に立候補した大前研一、アメリカンエキスプレス社長の

 ハーヴェイ・ゴラブ、「エクセレント・カンパニー」のトム・ピーターズ…

 こういった著名な「卒業生」を数多く輩出しながらも、そのマッキンゼーの

 仕事や組織といったものは、これまで謎のヴェールに包まれていました。


●多くの社員・元社員にインタビューしつつ、それを始めて明らかにした、

 という点で、本書は画期的な作品といえます。その中でも根幹を占めるのが

 タイトルにもある、彼らマッキンゼー人の「仕事術」について。
 

●「問題解決能力」という言葉を最近よく聞きますが、その出所はこのマッキンゼー。

 実際の解決手法は、大まかに分けると(1)ビジネス問題の捉え方

(2)その問題の解決法 (3)得られた解決法の売り込み方 の3段階。


●こう分けて考えると非常にわかりやすいですね。料理でも(1)材料の調達法

 (2)実際の調理方法 (3)盛り付け・提供方法 と3段階に分けられますね。

 蜘蛛の巣がごとく複雑な問題に対しても、こういったプロセスを焦らず、

 冷静に追うことができることこそ、マッキンゼー人の真の強みなのかもしれません。
 

【突っ込んどく?】


●「手に握っているのがハンマーだけだったら、問題という問題がぜんぶ釘に

 見えるだろう。」(p44) あなたが取り組もうとしている問題は、本当に

 「釘」でしょうか? 実際は観賞用のミニ東京タワーかもしれないし、

 ひょっとしたら食べられるチョコレートかもしれない…。


●しかし、分析手法が「ハンマー」のみならば、必然的にそれを打ち付けるしか、

 解決方法はなくなるわけです。私達は往々にして、このように

「たった1つのツールで全ての問題に取り組む」という愚を犯しがちです。


●これは日常生活においても同じ。頭に携えるツーツをほんの少し増やすだけで

 より広い視野と充実した経験が得られるものです。典型的なものは広告でしょう。

 あれを単なる「宣伝ツール」としてしか見ない人にとっては、電車の中吊りや、

 道中のティッシュ配りなど、日々の「雑音」に過ぎないでしょう。


●ところが、「人を惹き付けるコピーは何か」と考えているような人にとっては

 どうでしょうか。「学習ツール」という枠組みを頭に携えているだけで、

 街中の広告すべて、その人にとっての「教科書」となりえるわけです。


●さらに、「広告からなにかしらのインスピレーションを得よう」と考えている人

 にとっては?「発想ツール」という枠組みで、広告を見られるこの人にとって、

 電車の車両などはさながら、アイデアに溢れた「宝箱」といったところでしょう。



オススメ度★★☆☆☆

→・マッキンゼー自体に興味がある方

 ・問題解決の手法を参考にしたい方

 ・思考の「ツール」を増やしたい方





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最終更新日  2004年07月16日 10時43分52秒
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