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カテゴリ:マネジメント
★「あらゆる商品はお客様にとって<目的>ではなく、
あくまで<手段>の1つにすぎないというということ」(p20) ★「いまみたいに心で物を売る時代には、このストーリーというのは 非常に大切な意味をもっているのだ。」(p84) ★「6人の人を間に挟めば世界中のどんな人とも知り合いになれる。」(p180) ★「目標設定をして、それは必ずできると言い続けていくというパフォーマンスと そのプロセスを可能な限り見てあげ、評価をしてあげるというメンテナンス」(p237) 【サラっとく?】 ●「人材」と「お客」がいくらでも作れる!? 挑発的なタイトルに憤りを覚えた 人もいるかもしれません。確かに企業において「人材」と「顧客」は最大の要。 それを「いくらでも作れる」などといわれると、筆者に対し社員やお客を 大切にしない無機質なイメージを、ついつい重ねてしまいます。 ●しかし実際に読んでみるとこの浅はかな推挙は見事、崩されました。 ここまで社員のことを思いやり、現場でお客に献身できる経営者がどれだけいるか。 彼の文章から見えてきたのは、平気で従業員の首を切り、お客からお金を剥ぎ取る ような冷酷な経営者像とは無縁の、「人間臭さ」そのものだったのです。 ●著者の高塚猛氏は、福岡ダイエーホークスの社長兼オーナー代行を務め、 不可能といわれたシーホークホテル&リゾートと、福岡ドームの巨大赤字を 回復させた経歴をもちます。著書「ならば私が黒字にしよう」は、赤字に苦しむ 多くの経営者に、希望の光を照らしたことでしょう。 ●そんな高塚氏の経営哲学の根底にあるものは「全ては人に始まり人に終わる」 というもの。組織を背負う経営者はもちろん、部下を抱える上司や、顧客と 接するビジネスマンなど、多くの人にとって「処世の指南書」となりえる1冊。 【突っ込んどく?】 ●「目標設定をして、それは必ずできると言い続けていくというパフォーマンスと そのプロセスを可能な限り見てあげ、評価をしてあげるというメンテナンス」(p237) これ、リーダーシップたるものをズバリ!あらわしている一文です。 ●リーダーがまず始めにしなければならないのは、「夢を語る」こと。 「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助も、社長時代、常に社員に夢を語り、 ビジョンの共有をしていたといいます。この「夢」や「将来ビジョン」と いったものを、皆がまざまざと想像できるようにするのがリーダーの最初の役割。 ●その「ロマン」を語るパフォーマンスの一方で必要なのが、メンテナンス。 航海で例えるなら、前者は舵取り、後者は燃料補給といったところ。 目的地を決めて舵を取っているだけならば、それほど楽なことはない。 しかしメンテナンスを怠っていると、その船はいつ沈没するともわかりません。 ●組織(船)を導いていくためには、経由地となる目標を決める必要があるのです。 そして、そこに辿りつく度に「評価」し、モチベーションという「燃料」を補給 してあげる。これがメンテナンスということです。 ●組織風土や理念といったものは、そう簡単に根付くものではありません。 だからこそ、小さな成功体験を積み重ね、それを評価していくというプロセスが 必要とされるのでしょう。大胆なパフォーマンスと小まめなメンテナンスで、 嵐吹き荒れる現代社会を思い切って、航海していきたいものです。 オススメ度★★★★☆ →・企業、組織、チームのリーダー ・サービス業に従事している方 ・部下、後輩を抱えている人 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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