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ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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2004年11月26日
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★「高い才能を持った人間が、大変な努力をして勉強をし、
  ようやく到達した認識を、二人きりで自分に丁寧に話してくれる」(p15)

★「読書力があるということは、食べるということに
  なぞらえて言えば、強い歯や顎を持っているとういことにあたる。」(p36)

★「いろいろな言葉を知っていることによって、
  感情や思考体系が複雑で緻密なものになっていく。」(p66)

★「矛盾しあう複雑なものを心の中に共存させること。
  読書で培われるのはこの複雑さの共存だ。」(p52)

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   【本日のブックレビュー】 ~名著の紹介~
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       『読書力』(前半) 齋藤考
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●「読書って一体何のためにするの?」案外答えにくいこの質問に、「読書力」という

 コンセプトで見事答えを提示してくれます。著者は「声に出して読みたい日本語」

 や「段取り力」などの数々のベストセラーで知られる齋藤孝氏。冒頭から「読書力は

 日本の自力だ」「この国は読書立国だ」といった言葉が歯切れよく突き刺さります。


●確かに昔の日本人は大変よく読書をしました。福沢諭吉の「学問のすすめ」は人口

 3千万だった明治初期に、なんと340万部も売れたといいます。日本人の当時の勤勉さ

 と成長力を何より物語っていますね。対して人口1億2千万を越えた今はどうか…?

 悲しいかな、あの「バカの壁」でさえやっと300万部突破というのが現状なのです。


●著者が「読書立国」日本の存命を危惧する気持ちもわかります。加えて日本には、

 西洋の「聖書」や、中国の「論語」のようなバイブルが存在しません。このため

 大量の読書がこれまで日本人の倫理教育を担ってきただけに、本を読まなくなった

 世代のアイデンティティー確立が非常に危ぶまれています…。


●「自己形成のための読書」「スポーツとしての読書」「コミュニケーションの

 ための読書」、まずはこの3部を軸に書かれた本書を読んで、「読書力」の

 基礎を身に付けてみてはいかがでしょう。読み終わる頃にはあなたの中にも

 「なぜ本を読むのか?」に対して、明確な答えが生まれていると思いますよ。


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   【本日の<ここ読め!>】 ~名文の掘り下げ~
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   ★「いろいろな言葉を知っていることによって、
     感情や思考体系が複雑で緻密なものになっていく。」(p66)
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●「考える」という行為は全て「言葉」によって為されています。

 著者が「読書は思考活動における素地をつくるもの」と述べる背景には、

 読書によって多くの言葉を知ることが、より広範かつ複雑な思考を可能にする

 という事実があるのでしょう。


●感情もまた叱り。遊園地のアトラクションに乗って、ただ「楽しい」としか言えない

 人よりも、「スリリングだね!」とか「興奮するね!」、「病み付きになるね」など、

 感想にバリエーションのある人の方が一緒にいて楽しいですよね。語彙の多い人は

 それだけたくさんの感情を「実感」し、それを「伝え」ることができるのです。


●それに、僕らの住んでいる「世界」ってそもそも、1つの1つの「言葉の集合体」

 なんですよ。現実世界もそうだし、夢の中でさえ僕らは「言葉」を使っている…。

 そう考えるとやはり語彙の多い人というのは、少ない人に比べ、それだけ広い世界を

 経験できるし、またそれを自由に作り変えていく事ができるといえるでしょう。


●読書家として有名なハイブロー武蔵氏はこんなことを言っています。「自分の願いを

 言葉にし、イメージすることができたならば、必ず実現できるのです。語彙が多い人

 は、それだけ自由に自分を作り変えていけます。」世界だけじゃない!自分自身さえも

 言葉で自由に作り変えていけるなんて…。


●今日は読書の魅力を「たくさんの言葉が知れる」という最も根本的なところから、

 書き出してみました。整理すると、語彙が多ければ多いほど人は(1)思考と感情

 の幅が広がり(2)より広い世界を経験でき(3)自身を自由に作り変えていける。

 「言葉」は、より僕らの人生に味を出す、調味料のようなものかもしれませんね。




□■エッセンス■□

 「いろいろな言葉を知っていることによって、
  感情や思考体系が複雑で緻密なものになっていく。」(p66)

▼あなたの思考や感情は、語彙の少なさに制限されていませんか?


□■今日の紹介書籍■□

『読書力』 齋藤考

『読書力』

オススメ度★★★★★満点!

→・本を読むのが嫌いな人
  ・「読書の意味」を知りたい人
  ・「読書力」のつくブックリスト100が欲しい人





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最終更新日  2005年01月10日 23時26分05秒
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