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ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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2004年11月29日
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★「読書を必要ないとする意見の例として、読書をするよりも
  体験することが大事という論拠がある。これは、根拠のない論だ。」(p84)

★「言い換えにはコツがある。抽象的なものは、具体的なものに少し直し、
  具体的な発言に対しては、少し抽象度の高い言い方で言い換える。」(p154)

★「本をめぐる話は、ただ相手の日常生活や
  趣味の話を聞くだけよりも、情報の中身が濃い。」(p171)

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   【本日のブックレビュー】 ~名著の紹介~
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        『読書力』(後半) 齋藤考
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●さて、前回に引き続き「読書の意味は何か?」という本質に迫った名著

 『読書力』の紹介をしたいと思います。前回は「読書は多くの言葉を知り、

 より自分自身や世界を広くすることに意味がある」という話をしました。


●今回の「ここ読め!」に移る前に、本書の構成を簡単に説明させて下さい。

 この本は「序章」と「ブックリスト」を付随とし、中心は3節で成っています。

 「序章」で「読書力とは?」の定義がされた後に、第1節では読書の意義を

 「自己形成」の観点から見直しています。


●何となく「自己形成」などという言葉が恥ずかしくなってしまったこの時代に、

 「自分軸」の大切さと「読書」の有用性を改めて気づかせてくれる1節です。

 続く第2節では「読書力の鍛え方」、ここでは「読書」を1種のスポーツとして、

 その「能力」を磨くための秘訣が語られます。


●そして最後の第3節で、読書が現実でのコミュニケーションにおいても、どれだけ

 役に立つかというのが提示され、巻末には「読書力」を鍛えるための100のブック

 リストが。ここまで「読書」の魅力と、その鍛え方にフォーカスした本がこれまで

 あったでしょうか…。本サルタントとして、自身を持ってお薦めできる1冊です。


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   【本日の<ここ読め!>】 ~名文の掘り下げ~
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★「読書を必要ないとする意見の例として、読書をするよりも
  体験することが大事という論拠がある。これは、根拠のない論だ。」(p84)
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●それどころか「本を読むことが色々な体験をするきっかけになることが多々ある」

 そう著者は述べます。確かに旅行記を読んでふらっと旅に出かけたり、コーチング

 の本を読んでコーチと出会いに行ったり…そんな経験や出会いが僕にもありました。

 もし本がなければ、僕の人生は今よりずっと退屈なものになっていたでしょう。


●ただ僕は、本というのは経験に先立つ「きっかけ」としてよりも、経験の後における

 「確認」の役割の方が大きいと考えています。どういうことかというと、本書でも

 述べられているように「体験」というのはそれ自体が重要なのではなく、その「体験

 の意味」を掴み、それを次の経験に活かしていくというのが大切だということ。


●同じ会社で同じ仕事を同じ期間だけやったとしても、優秀な人間とそうでない人間

 というのは自然に分かれてしまいますよね。「体験」だけが重要ならばこの違いは

 一体どこで生まれているというのでしょうか?これは偏に「体験の意味」を捉えて

 そのフィードバックループが築けているかどうかの差なのです。


●そのフィードバックループを築く上で大切なのが「暗黙知」を「形式知」に変える

 ということ。頭の中でぼんやりとしている知識を、文字にされた「言葉」で理解し、

 体系化する必要があります。そこで役立つのが「読書」というわけ。よく本を読んで

 いると「あぁ~、俺もこれが言いたかったんだよ」と妙に納得する瞬間がありますよね。


●それがまさに「経験の意味」を理解できた瞬間であり、「暗黙知」を「形式知」に

 置き換えられた瞬間です。こう考えると「読書よりも体験が大事」が間違っている

 というより、むしろ「体験するほど読書が大事」とまで言って良い気がします。

 根拠のない論に惑わされることなく、常に自分を磨く読書を続けていきたいものです。




□■エッセンス■□

「読書を必要ないとする意見の例として、読書をするよりも
 体験することが大事という論拠がある。これは、根拠のない論だ。」(p84)

▼あなたは読書を通じて「経験の意味」を確認できていますか?


□■今日の紹介書籍■□

『読書力』 齋藤考

『読書力』

オススメ度★★★★★満点!

→・本を読むのが嫌いな人
  ・「読書の意味」を知りたい人
  ・「読書力」のつくブックリスト100が欲しい人





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最終更新日  2005年01月10日 23時26分24秒
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