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ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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2004年12月03日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
★「戦うための戦略においては、それが「勝つ」ことを目指すのか、「負けない」
  ことを目指すのか、さらに「負けない」から「勝つ」に移行する戦略をとる
  のかを鋭く峻別しなければならない。」(p41)

★「引くこと、退却することは、それ自体プラスでもマイナスでもない。」(p47)

★「勝兵はまず勝ちてしかる後に戦いを求め、
  敗兵はまず戦いてしかる後に勝ちを求む」(p98)

★「将とは、智、信、仁、勇、厳なり」(p154)

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   【本日のブックレビュー】 ~名著の紹介~
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      『最強の孫子』 守屋淳
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●諸葛孔明、毛沢東、武田信玄、徳川家康、高杉晋作、東郷平八郎、ナポレオン…

 さて、彼らに共通するものは何でしょうか?いずれも「名将」、「偉人」と呼ばれる

 人々ですが、実は皆、その戦略思想のもとに「孫子」の影響があったといいます。


●時を移して現在、果たしてこの「孫子」的な思想は役に立つのでしょうか?いかに

 優れた兵法書といえども、所詮は2500年も前に書かれた過去の遺物。ハイテク戦争、

 ビジネス戦争の巻き起こる21世紀には活用できないのでは?という疑問が浮かぶ

 のもある意味で当然といえるでしょう。


●しかし実際にいるのです。この「孫子」を利用して大きな成果を上げている兵が。

 IT企業の雄、ソフトバンクの孫正義は若い頃から「孫子」を愛読し、プロ野球の

 長島秀雄も、ミーティングで「孫子」のフレーズを暗唱していたといいます。

 なぜ時代を越え、分野を越え、こうまで「孫子」が読み継がれていくのか?


●本書はそれを、過去の名将や現代の偉人の活用例に基づき、分かりやすく解説して

 くれます。「孫子」全体の戦略思想と、「孫子」に散在する名言とを、別々に取り上げ

 ているのも非常に読みやすい。「百戦して危うからず」… 混迷の21世紀において

 「必勝」ではなく、「不敗」を目指すあなたに、お薦めしたい1冊です。


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   【本日の<ここ読め!>】 ~名文の掘り下げ~
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      ★「将とは、智、信、仁、勇、厳なり」(p154)
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●これは「孫子」の名言の1つでもあり、孫正義氏がリーダーの条件として

 掲げているフレーズでもあります。それぞれ「智謀」、「信義」、「仁愛」、

 「勇気」、「威厳」を指します。大きく分けて、人間の中で攻撃的な部分の

 「智謀」「勇気」と、保守的な部分である「信義」「仁愛」「威厳」に区別されます。


●さてこの2種類、正反対の性質を持つだけに1人の人間の中に同居させるのは

 大変難しいとのこと。かたや型破りとも言える行動力や柔軟性が、かたや規則や

 節度を守り、チームを取りまとめていく規範的態度が要求されるのだから、

 無理もないことです。全てを身に付けるには大変な努力がいることでしょう。


●これらを1つずつ身に付けていくのも、生きがいのある人生と言えそうですが、

 現代のビジネス戦争を乗り切ろうとした場合、それはあまりにスピード感覚がない

 といわざるを得ません。そこでこれまで成功を収めた企業経営者が何をしたか、

 というと、それは「パートナーシップで足りない部分を補い合う」ということ。


●戦後の名企業を見ても、そこには大抵「名コンビ」といわれる組み合わせが存在

 しました。例えばソニーには、技術畑で人付き合いの苦手な井深大と、外交的な

 盛田昭夫。ホンダには職業肌の本田宗一郎と商売人気質の藤沢武夫。世界に目を

 転じると、マイクロソフトにはビル・ゲイツと、ポール・アレンという名コンビ。


●何かを為そうとした際に、それに足る資質を全て自身で網羅しようという成長欲と、

 相手の能力を受け入れないという偏狭なエゴイズム、実はこれは紙一重の差なの

 かもしれません。何でも回せる無難なカタチの歯車よりも、ある組み合わせで突出

 した結果を生み出せる凸凹の歯車、そんな生き方があってもいいのかもしれません。




□■エッセンス■□

「将とは、智、信、仁、勇、厳なり」(p154)

▼あなたには足りない部分を補ってくれるパートナーがいますか?


□■今日の紹介書籍■□

『最強の孫子』 守屋淳

『最強の孫子』

オススメ度★★★☆☆

→・「孫子」入門したい方
  ・過去の偉人に戦略の基礎を学びたい方
  ・孫子のフレーズに主張の裏づけを得たい方





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最終更新日  2004年12月07日 17時03分51秒
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