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ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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2004年12月06日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
★「決心してから実行案を考えるのでなければ、新しいことはできません」(p47)

★「人間的欲求不満には、いろいろ問題はありますが、
  その中で最も大事なのは“創造性”を発揮できないという不満です。」(p130)

★「発明のアプローチの仕方に、エジソニアンとラングミアンという、
  大きな2つの道があるといことを頭に入れておいた方がいい」(p152)

★「日本人は想像能力がないとか、少ないというのではなくて、
  それを育て上げてモノにする環境がない」(p158)

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   【本日のブックレビュー】 ~名著の紹介~
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      『石橋を叩けば渡れない。』 西堀栄三郎
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●「石橋を叩いて渡る」という有名な慣用句があります。意味はご存知でしょうか?

 石橋というのは、そもそも木で作られた橋等に比べ非常に頑丈で、ほとんど折れたり

 しません。それをなお「叩いて」、安全を確かめてから渡ることから、物事に対して

 非常に慎重に取り組むさまを示します。

  
●ところが本書のタイトルは「石橋を叩けば渡れない」と、なんとも逆説的(笑)

 どういうことか?大抵の人は「やるかやらないか」と迷っている場合、どうしても

 「やらない」理由探しに終始してしまうのです。わざわざ石橋のもろい部分を探し、

 そこを「叩き割って」、「あぁやっぱり渡れないな」と諦めてしまう…。


●ご存知でしょうか、世界一硬い鉱物とされるダイヤモンドにさえ弱点があることを。

 必ずどこか1箇所に脆い部分があり、そこに向けて杭を打ち込むと粉々に砕け散ると

 いいます。完璧な橋などというのはこの世のどこにも存在しない、だからこそ大事

 なのは著者のいうように「決心してから実行案を考える」ことではないでしょうか。


●ただし、全く橋を叩かずにわたるのは単なる無謀です。「石橋を渡る」という決心の下、

 「どこが壊れにくいか?」「どのルートが最短か?」とそこで始めて叩いてみるのです。

 これは「リスクを少しでも減らす」ことが目的な分、「渡れるか渡れないか?」を主眼

 にした調査よりも、遥かに綿密で、有意義になることは間違いありません。


●「やるかやらないか」よりも「どうしたらやれるか?」を追求したした結果、

 日本人初の南極越冬やヒマラヤ登頂を達成した著者・西堀栄三郎…、

 その一言一句に大変な重みと鋭い洞察が感じられる一冊です。


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   【本日の<ここ読め!>】 ~名文の掘り下げ~
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 「発明のアプローチの仕方に、エジソニアンとラングミアンという、
  大きな2つの道があるといことを頭に入れておいた方がいい」(p152)
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●著者にとって「創造性の開発」はライフワークだったといいます。南極越冬や、

 ヒマラヤ登頂という未踏の地に足を踏み入れてしまった以上、日々「創造性」を

 発揮し続けなければ決して生きていけない…その過酷な環境が、西堀氏自身の

 「創造性」を高め、またそれを本にまとめられるほどに体系化させたのでしょう。


●その著者が提唱するのが「エジソニン」と「ラングミアン」という2つの発明方法。

 創造的活動に取り組む際は常に、自分がどちらで発想しているのかを意識する必要が

 あるといいます。前者「エジソニアン」式というのは、人々の「不満」をもとに、

 アイデアを誘発する方法です。エジソンの電球がまさにそうでした。


●一方でラングミアンというのは、まず知識や技術がありき。次にそれを「何かに

 使ってやろう」という意図のもと発想する方法です。この方式の顕著な例は

 化学薬品でしょう。ペニシリンは1930年、フレミングが「Penicillium notatum」

 というアオカビから偶然発見した成分ですが、それを化学薬品として実用化され、

 多くの人の命を救うことになったのは1940年、発見の10年後でした。


●また僕がこうして皆さんに情報を伝えている「インターネット」も、

 実はラングミアン式発明の産物です。そもそもは米国防総省が軍事目的で

 開発した、「ARPANET」という情報ネットワークが前身となっていました。


●物質的に満たされ、人々の絶対的な「ニーズ」が満たされつつある現代においては、

 「エジソニアン」よりも「ラングミアン」式の創造方法の方が効果を発揮する気が

 します。ITを始めとし現代の「技術」革新には目覚しいものがありますが、これを

 アイデアに活かせるかどうかは我々次第。著者と同じく、常に「創造性」という

 テーマを持って毎日に挑みたいものです。




□■エッセンス■□

・「発明のアプローチの仕方に、エジソニアンとラングミアンという、
  大きな2つの道があるといことを頭に入れておいた方がいい」(p152)

▼あなたは普段どちらの発想法でアプローチしていますか?


□■今日の紹介書籍■□

『石橋を叩けば渡れない』 西堀栄三郎

『石橋を叩けば渡れない。』

オススメ度★★★★☆

→・石橋を叩いて渡れない人
  ・石橋を叩き割って渡らない人
  ・リーダーシップ、創造性を磨きたい人





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最終更新日  2004年12月10日 16時44分51秒
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