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★「決心してから実行案を考えるのでなければ、新しいことはできません」(p47)
★「人間的欲求不満には、いろいろ問題はありますが、 その中で最も大事なのは“創造性”を発揮できないという不満です。」(p130) ★「発明のアプローチの仕方に、エジソニアンとラングミアンという、 大きな2つの道があるといことを頭に入れておいた方がいい」(p152) ★「日本人は想像能力がないとか、少ないというのではなくて、 それを育て上げてモノにする環境がない」(p158) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【本日のブックレビュー】 ~名著の紹介~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『石橋を叩けば渡れない。』 西堀栄三郎 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●「石橋を叩いて渡る」という有名な慣用句があります。意味はご存知でしょうか? 石橋というのは、そもそも木で作られた橋等に比べ非常に頑丈で、ほとんど折れたり しません。それをなお「叩いて」、安全を確かめてから渡ることから、物事に対して 非常に慎重に取り組むさまを示します。 ●ところが本書のタイトルは「石橋を叩けば渡れない」と、なんとも逆説的(笑) どういうことか?大抵の人は「やるかやらないか」と迷っている場合、どうしても 「やらない」理由探しに終始してしまうのです。わざわざ石橋のもろい部分を探し、 そこを「叩き割って」、「あぁやっぱり渡れないな」と諦めてしまう…。 ●ご存知でしょうか、世界一硬い鉱物とされるダイヤモンドにさえ弱点があることを。 必ずどこか1箇所に脆い部分があり、そこに向けて杭を打ち込むと粉々に砕け散ると いいます。完璧な橋などというのはこの世のどこにも存在しない、だからこそ大事 なのは著者のいうように「決心してから実行案を考える」ことではないでしょうか。 ●ただし、全く橋を叩かずにわたるのは単なる無謀です。「石橋を渡る」という決心の下、 「どこが壊れにくいか?」「どのルートが最短か?」とそこで始めて叩いてみるのです。 これは「リスクを少しでも減らす」ことが目的な分、「渡れるか渡れないか?」を主眼 にした調査よりも、遥かに綿密で、有意義になることは間違いありません。 ●「やるかやらないか」よりも「どうしたらやれるか?」を追求したした結果、 日本人初の南極越冬やヒマラヤ登頂を達成した著者・西堀栄三郎…、 その一言一句に大変な重みと鋭い洞察が感じられる一冊です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【本日の<ここ読め!>】 ~名文の掘り下げ~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「発明のアプローチの仕方に、エジソニアンとラングミアンという、 大きな2つの道があるといことを頭に入れておいた方がいい」(p152) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●著者にとって「創造性の開発」はライフワークだったといいます。南極越冬や、 ヒマラヤ登頂という未踏の地に足を踏み入れてしまった以上、日々「創造性」を 発揮し続けなければ決して生きていけない…その過酷な環境が、西堀氏自身の 「創造性」を高め、またそれを本にまとめられるほどに体系化させたのでしょう。 ●その著者が提唱するのが「エジソニン」と「ラングミアン」という2つの発明方法。 創造的活動に取り組む際は常に、自分がどちらで発想しているのかを意識する必要が あるといいます。前者「エジソニアン」式というのは、人々の「不満」をもとに、 アイデアを誘発する方法です。エジソンの電球がまさにそうでした。 ●一方でラングミアンというのは、まず知識や技術がありき。次にそれを「何かに 使ってやろう」という意図のもと発想する方法です。この方式の顕著な例は 化学薬品でしょう。ペニシリンは1930年、フレミングが「Penicillium notatum」 というアオカビから偶然発見した成分ですが、それを化学薬品として実用化され、 多くの人の命を救うことになったのは1940年、発見の10年後でした。 ●また僕がこうして皆さんに情報を伝えている「インターネット」も、 実はラングミアン式発明の産物です。そもそもは米国防総省が軍事目的で 開発した、「ARPANET」という情報ネットワークが前身となっていました。 ●物質的に満たされ、人々の絶対的な「ニーズ」が満たされつつある現代においては、 「エジソニアン」よりも「ラングミアン」式の創造方法の方が効果を発揮する気が します。ITを始めとし現代の「技術」革新には目覚しいものがありますが、これを アイデアに活かせるかどうかは我々次第。著者と同じく、常に「創造性」という テーマを持って毎日に挑みたいものです。 □■エッセンス■□ ・「発明のアプローチの仕方に、エジソニアンとラングミアンという、 大きな2つの道があるといことを頭に入れておいた方がいい」(p152) ▼あなたは普段どちらの発想法でアプローチしていますか? □■今日の紹介書籍■□ 『石橋を叩けば渡れない』 西堀栄三郎 オススメ度★★★★☆ →・石橋を叩いて渡れない人 ・石橋を叩き割って渡らない人 ・リーダーシップ、創造性を磨きたい人 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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