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★「“オリジナリティ”という幻想にとらわれてしまっているために、近代の人々は
先人たちの成果を勉強しないクセがついてしまうのではないか」(p58) ★「偏愛している世界があると、それが自分を磨く砥石のようにもなる。」(p101) ★「実は、仕事というものは、そのジャンルを 細部まで知り尽くしている人の方が応用力も高い」(p142) ★「何かを構築するときには、異質なものを徹底的に否定し排除していくやり方と、 いいものであれば異質なものでもどんどん呑み込んでいってしまうやり方」(p158) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【本日のブックレビュー】 ~名著の紹介~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『座右のゲーテ』 齋藤孝 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●「人類最高レベルの資質を持った人間」、「精神的人間としての1つの到達点」 …そう著者が語るゲーテという人物、恐らく名前は耳にしたがあると思いますが、 一体どんな人物で何を考えていたのか?その「素顔」は意外に知られていません。 ●「ファウスト」を始めとし数多くのベストセラーを生み出した作家である一方、 古代からの芸術にも造詣が深かったといいます。また優れた詩人・劇作家である 一方、科学者として解剖学や地質学における研究を重ね、壮年期にはヴァイルマル 公国の宰相としてその政治的手腕をも存分に発揮している…。 ●1つの分野を極めるだけでも大変なのに、どうしてこうも多くの分野で「超一流」 になることができたのか?それはゲーテが「上達の秘訣」、「学びの本質」を掴んで いたからだといえます。本書はそんなゲーテがその上達論を語っている「ゲーテと の対話」より名文を抜き出し、著者・齋藤孝氏が解説を加える形式となっています。 ●「小さな対象だけを扱う」「自分だけの師匠をもつ」「他人の評価を気にしない」 …本書の中のメッセージはどれも非常に具体的・かつ本質的で、現実の世界で 「変わるきっかけ」を掴めないでいる方にはまさに座右の書となることでしょう。 学びの達人・ゲーテと、アウトプットの達人・齋藤孝氏に多くのことが学べる1冊。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【本日の<ここ読め!>】 ~名文の掘り下げ~ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★「実は、仕事というものは、そのジャンルを 細部まで知り尽くしている人の方が応用力も高い」(p142) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ●一般にクリエイティブである人ほど、また才能がある人ほど、同じ仕事を繰り返して 人から「凡庸だ」と思われるのが苦痛なもの。もっと色々なものに取り組んで 「あれもできる」「これもできる」と力を誇示したくなる傾向があるといいます。 ただし「浅く広く」手を出したところで、決してゲーテの域には到達しないでしょう。 ●それは著者の言うように、真の応用力というのは色々なものに手を出すというよりは むしろ「1つのものを掘り下げる」ことで身に付くものだからです。スポーツの例が 顕著でしょう。陸上も、サッカーも、キックボクシングも…とあれこれやるよりも、 例えばサッカー1つでプロになるほど磨き上げた方が「足の速さ」「キック力」「視野 の広さ」「反射神経」「体力」「モチベーション管理」…といくらでも応用が効くわけです。 ●これはもちろん仕事でも同じ。多摩大学の学長である中谷巌氏は著書「プロになる ならこれをやれ」で<コアスキルに1万時間を注ぎ込め>と提唱しています。 どんな仕事であれ1つの仕事やスキルに1万時間も注ぎ込めば必ずその分野で一角 の人物になれる。また、そこには「鉱脈」のようなものが流れているといいます。 ●その「鉱脈」に辿り着いたもの同士は、分野の違うもの同士でも不思議と共通の認識 を持つといいます。一流のアーティストやスポーツマン、ビジネスマンに何故か同じ 尊厳なオーラを感じるのはこれが故でしょう。ゲーテはまさにここに辿り着き、「上達 の本質」を掴み取ったといえます。 ●「浅く広く」物事をカバーするのには限界があります。世界一長い河である、ナイル 川だって全長6,650kmで、地球の円周約4,6000kmには遠く及ばないのですから。 だったらまずは目の前の井戸を掘り下げていき、地下の「鉱脈」で繋がればいい。 そこでは世界中の「プロ」たちが、あなたの登場を待っていることでしょう。 □■エッセンス■□ ・「実は、仕事というものは、そのジャンルを 細部まで知り尽くしている人の方が応用力も高い」(p142) ▼あなたは「鉱脈」にたどり着くほど今の仕事を十分掘り下げていますか? □■今日の紹介書籍■□ 『座右のゲーテ』 齋藤孝 オススメ度★★★★☆ →・「上達」の本質を掴みたい方 ・目の前の壁をなかなか突破できない方 ・ゲーテとの対話を楽しみたい方 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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