カテゴリ:中年男のためいき・・・
身にしみて ひたぶるにうら悲し かねの音にむねふたぎ いろかえて涙ぐむ すぎし日の思い出や げにわれは うらぶれて ここかしこさだめなく とびちらう落葉かな ポール・ヴェルレーヌ (上田 敏 訳) 秋になると、必ず思い出す詩。 ヴェルレーヌ(1844年~1896年)はフランスで最もよく知られる詩人なんだ。 パリの高等学校で学んだ後にパリ市役所の書記となった。 ヴェルレーヌが詩をはじめたのは若い頃からで、高踏派のパルナシアンらの影響を色濃く受け、ステファヌ・マラルメ、アルチュール・ランボーらとともに象徴派といわれる詩人。 多彩に韻を踏んだ、メロウな美しい詩を数多く残しているが、酒癖が悪く、盟友ランボーを相手に口論の果てに発砲事件を起こすなど、その人生は常にスキャンダラスで破滅的だった。 享年51歳、最期はパリの娼婦に看取られて波乱の生涯を閉じた。 破滅と退廃は芸術家の宿命だろうか... 才能と高い感性ゆえに俗世と交わらないのか... ときにクリエーターは、社会とは共存し難い一面を見せる気がする。 広葉樹が色づく頃、一篇の詩とともに砂天狗が思い出す詩人の一人だ。 あぁ、もう秋だ。 人肌が恋しくなる季節だな...(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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