カテゴリ:独りの時間
職場だと、彼と観に行くだとか、恋人にせがまれて腕組んで...だとか、12月のデートスポットという意識なんだよな。 俺にとっては、今は亡き親友や知人たちとの想い出を噛締め、なぞりながらそぞろ歩く鎮魂の灯りなんだ。 今年も、技術スタッフとの打ち合わせを終えてからカメラを手に、独りで鎮魂の灯りの燈る街に出かけた。 競い合い、感性を磨きあった友... 週末に集まっては飲み明かし、お互いが手掛けてる企画のコンセプトやデザインの持論を語り合った仲間立ち。 瓦礫の中で死んだ奴、生きながら焼かれた奴、失明した奴、両腕を失くした奴、後遺症に苦しんだ果てに死を選んだ奴... 残ったわずかな仲間も、あの日を境に夢を捨て、みんな散り散りバラバラになった。 俺一人になっちまったよ。 あの日、たった一分足らずの揺れで、沢山の夢が絶たれ多くの未来が壊れた。 あの頃の仲間の笑顔を思い出す夜。 また、そんな想い出に、独り逢いに行ってきたよ。 あれから、俺も怪我したり、大きな病気したりしたけど生きている。 たった一人になっちまって、淋しいけどさ、お前らの代わりにお前らの後輩の面倒をみながら、ちゃんと一生懸命生きてるよ。 そして... お前らみんなの想いや夢を代わりに背負ってるつもりで... 俺はこの先も頑張るよ。 友よ... 見守っていてくれてアリガトウ。 俺を育て、俺を鍛え、俺を生かしてくれた街よアリガトウ。 あの灯りを独りで観てると今でも涙が出るんだけど、やっぱり足が向いてしまうんだ。 合掌。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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