カテゴリ:言霊の宿る国の言語学
昨夜、雨雲のすき間にほんの一瞬、 満月から三日目の月が、 海峡を照らした。 夜を照らすために月は昇る。 闇の裂け目に、君は微笑む。 満月より、少し歪(いびつ)な形で、 それでも、微笑む君に満たされた。 わかってる。 時はもう巻き戻せない。 今夜の微笑みは一度きりでも、 明日は、違う顔を待つ。 九十九の悪い事が起きても、 たった一つよい事があれば、 笑って時を待っていられる。 でも、よい事が何かを、 近頃の自分はわからない。 教えてよ。 早く時を進めたいから。 よい事と悪い事の境目が、 薄ぼんやりして朧なんだ。 心があるから、ときどき痛む。 夜の向こうに、微笑みを探す。 テトラポットの上で月に話し、 整理できない心に気づく。 ほんの少し、 珈琲が苦く感じた。 満月から三日目の月を、 居待月(いまちづき)と呼ぶ。 声に発する言葉には、魂があるという。 そんな、言霊の宿る日本語には、 月一つにも、三十以上の呼び名がある。 あぁ、それにしても腱鞘炎が痛む... お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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