カテゴリ:独りの時間
日本との時差は+1時間。
昼間の気温は28℃で夜25.5℃、湿度が86%。 日暮れ時、ひと雨あって海から吹く南東風が心地良い。 シャワーを浴びて、射撃の硝煙の匂いを消し、 ルームサービスのマティーニを飲み干して部屋を出た。 歩道のド真ん中に、平気で消火栓を設置する、 アメリカ人のテキトーな思考というか、雑さにムカつく。 ほろ酔いで歩いて、股間を強打したではないか... ホテルから、Pale San Vitores Roadを西へ10分ほど歩き、 米兵に聞いた、安いチャイニーズレストランで夕食を済ませ時計を見た。 まだ、午後10時だ。 1月に、BeachでSouthern Crossが見られるのは夜明け前。 たぶん午前6時頃だから、まだ時間はたっぷりある。 ちょど蠍座の右側、アンタレスの直ぐ下に見えるのだ。 東に少し戻ると、ABCストアーの上にハードロックカフェがある。 そこらで少し、時間を潰すとしよう。 あれから、もう直ぐ21年。 神戸の街は、明るさを取り戻したけれど、 そんな街の灯も、私の心の奥は照らさない。 17日は、TVを点けるとあの日を思い出す機会も増える。 忘れたいと、願っている訳ではない。 いや、違う... 自分はまだ、あの灰色の瓦礫の中にいるのだ。 あの日、自分が失った物など、今さらもうどうでもよいが、 そこから、積み重ならなくなった時を思うと、恨めしくも切なくもあり、 寂しさに似た感情から、遠くへ逃げ出したいとさえ思う。 だけど、自分の歪んだ喪失感からは、そう簡単に逃れられはしない。 一瞬の逃避行も、不毛で空虚な時間を再確認してしまうだけで、 さらに、女々しさすら感じさせられるだけで、決して逃れられないのだ。 そんな自分が、自問するように時々考えることがある。 自分が、生きている意味とはいったい何だろうかと... この先、元気なうちは色々と工夫し、楽しみを作ることも出来ようが、 それすら出来なくなるとき、ただ孤独な老いと向き合う自信がない。 多かれ少なかれ、誰もがそんな後悔をしながら生きているのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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