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2006年10月03日
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カテゴリ:がん医療について
 みなさま、ご無沙汰しております。m(__)m

 更新が滞っておりましたので、穴埋めです。

 がんナビのREPORTに、
 『患者が頼れる「相談支援センター」へ 相談員向けの研修会をスタート』ブルー小
という記事がUPされていました。


 その研修会は9月20日にあり、私は傍聴させていただきました。

 受講者は、全国の拠点病院の担当者の方々です。

 拠点病院とはいっても、『がん専門の病院(がんセンターなど)』だけではなく、地域の『総合病院』も含まれていますから、すでに基本的なノウハウのある病院と、全くの1から始めるところと、ここでも格差が生じてくることと思います。

 現在では『患者相談室』などのようなものを有している病院も多くあると思いますから、そういう窓口そのものはあると思いますが、『がん』に特化した窓口である『がん専門の病院』の相談支援センターと、一般的総合病院の相談支援センターでは、提供できるサービスに違いがあっても仕方がないのかな、と感じました。

 まず、一般の総合病院でハードルになるのは、『がん患者相談支援センター』というような『がん』に特化した窓口には出来ない、ということでした。
 そういう看板を掲げても、患者さんは、その部屋にはいっていくこと自体“自分ががんである”と人に宣伝するようになるから、そういう部屋に入りづらい、というのがその理由だそうです。

 確かに、地域の人がたくさん出入りしているような病院であれば、顔見知りの人などにそういう事を知られるのは、厭なものかもしれません。

 また、そういう病院の相談室は、その病院全体の相談室ですので、がん以外の患者さんの相談も受けなければなりませんから、がんに特化した部分の情報量もケアも、カバーできる範囲が狭くなってしまいます。
 予算がついて、がん専門の相談員を一人おくことができたとしても、難しいものがあるな、と感じました。
 そして、当面は、その担当者の誠意とか熱意に頼らざるを得ないので、ここでも病院間で格差が生じるだろうな、と思いました。

 がん専門病院の場合は、相談室のある病院であれば、すでにそれはがんに特化した相談室ですから、土台のあるところに、進んでいる相談室のノウハウを取り込んでいけばいいという点で、早い段階で整備されることが期待できます。
 しばらくは、そういった、進歩した相談支援センターの取り組みをお手本に、だんだんと格差が埋まっていくことを期待し、見守るしかないようでした。


 ところで、私が相談支援センターが誕生したあとのこととして、とても気になったのは、受け皿不足の問題でした。

 患者は、相談支援センターに相談することによって、さまざまな情報を得ることができるようになります。
 今もインターネットなどを利用することによって、たくさんの情報を得ている人もいますが、能動的にそれらを得ようとしない、いわば受動的な人たちも、今後はその情報を得やすくなります。
 そのときには、現状でも、なかなか望む医療に到達出来ないという問題があるのに、今後ますますその傾向が強まってしまうのではないか、ということが心配です。

 疼痛コントロールや充分な副作用対策など、広義の緩和ケアの必要性が叫ばれていますが、現状では、そういったケアを提供できる施設や医師が全く足りていません。痛みのある場合にも、充分なケアのできる病院は、大変少ない状況ですし、抗がん剤治療の副作用のケアも、充分に行えている病院はやはり大変少ないと思います。
 そんな中で、きちんとした情報を患者に与えることが出来るのか、というのが疑問です。
 『あなたのつらさは、こういう方法で緩和することが出来ますよ』という情報と、
 『その治療は、ここの病院に行けば受けることができますから、予約をお取りしましょうか?』
というような、実際の解決策がセットになっていなければ、これまでとほとんど変わりないものになってしまいます。
 素晴らしい治療法やケアを知ることが出来ても、実際に受けることができなければ、完全に『絵に描いた餅』で、何のメリットもありません。

 化学療法に関しても、国立がんセンター東病院の向井博文医師が昨年の乳がん学会(第13回日本乳癌学会:2005年6月)で発表し、話題となったような『害のある治療』(参考:MedWeve ブルー小)を受けているような患者さんが相談に訪れたときに、しっかりその患者さんに、別の病院を紹介してあげられるのか、また、その『害をなす治療』を行っている病院や医師を速やかに指導したり厚労省に報告したり出来るシステムがあるのか、という事について、不安と疑問を感じました。(多分誰もそんなこと考えていないのでは・・・)


 今年2月に患者相談支援センターについてのヒアリングを受けましたが、(2月4日の日記参照ブルー小)そこで話された内容が考慮されていとか、吟味されて反映されているとか、そういう次元ではまったくありませんでした。

 患者の心の不安を取り除くために重要な『ピアカウンセリング』を実践している、実力のある患者会などの情報をここで提供してもらえれば、『心のケア』の一助になります。
 がんの患者さんの心のケアに関しては、ピアカウンセリングがすべてではありませんから、腫瘍精神医による専門的ケアも充実して欲しいと思いますが、そういう専門医も不足している現状では、できる部分からどんどん投入して充実させていくという作業も必要なはずです。
 でも、とてもではありませんが、そんなレベルの話にまでは、到達していませんでした。

 垣添総長の基調講演なんて、がんの発生について、皮膚に発がん物質を塗ったマウスの実験の話とかがんがどういうものか、というような内容に多くの時間が割かれていましたので(私はついうっかり、それなりに興味深く聞いてしまいましたが・・・(^。^)ゞアチャー)、患者団体のメンバーとして傍聴していた皆さんから、
『ここに来ている受講者の人たちって・・・皆さん拠点病院の担当者の方々なのよね・・・?
 それなのになぜ、こんなレベルのお話なの??
 がんを知らない一般人の人に話すような内容じゃない・・・?』
というご意見が出て、
『垣添総長が、この講習会の参加者のことをご存じなかったのでは?』
とか
『こういうレベルから話さないといけない方が多数参加しているということなのでは・・・?』
なんて、ひそひそ話していました・・・・(;^。^A

 垣添総長の話の最後が、『これからの課題』ということでまとめられ、
  『がん登録の必要性』
  『がん医療の均てん化・・・均てん化の推進だけで4万人が助かるという報告もある』
という発言に、
 『垣添総長も、おっしゃることが変わってきましたよね~~ OKスマイル 』
などと、仲間とつい感慨に浸ってしまいましたが、それってちょっと、こういう世界に毒されてきちゃったってことかも??
と、複雑な心境にもなりました 泣き笑い





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Last updated  2006年10月12日 11時48分46秒
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