「返事は24時間以内に、信頼関係は時間をかけて」
患者団体の人の場合、お仕事が別にあったりするから、メールの返信も滞りがち、ということはよく聞きます。
でも、仕事ではないにしても、それなりに責任あるポストに居る人の場合、重要な返信を相手が待っているときには、なるべく速やかにしたいものですよね。
どうしてもお仕事などで一定期間忙殺され、返事が出せないことがわかっているような場合には、その期間は返信できない旨を周知しておくとか。
どなたかに、その間の実務の代理をお願いしておくとか。
それから、信頼関係を、時間をかけて築いていく、という部分も、やはり大事だなと思います。
ネットでいろいろやり取りするからこそ、意思の疎通がうまくいかなくなることもあります。顔の見える関係にして、時間をかけて信頼関係を築いていく、という部分も、意外と忘れられているような気がします。
これは、すごく参考になるなぁと思います。
まさにスピード感と、コミュニケーション、ですね。
返事は24時間以内に、信頼関係は時間をかけて
――コミュニケーションとスピード――(2012年5月14日 exiteニュース)
「グローバル時代を生き抜くスマートリーダー術」というテーマで、前回は「闘いに勝つにはまず勢い――雰囲気づくり」について話しました。今回は、コミュニケーションに求められるスピードについて話します。
現在はインターネットが普及し、多くの情報がすさまじい勢いで流れる中(2000年から2010年までに情報量が300倍になったというデータもあります)で、スピードが求められる時代です。コミュニケーションにおいてもやはりスピードがとても重要になっていると感じます。
ただ一方で、変化のスピードが速いからこそ、逆にじっくりと構えるべきこともあるのではないかと思います。その2つをよく見極めることが欠かせません。
●受け取ったメールに返事をしているか
以前は直接話すことが多かったものの、今は部下や周りの人からメールが届くことが多くなったでしょうか。部下や周りの人からもらったメールに返事をしているでしょうか。返事をしている場合何時間後にしているでしょうか。
某有名外資系金融機関の幹部が次のように言っていました。
人により例外がありましたが、弊社の幹部は、連絡を入れるとどんなに忙しく、どんなに偉い人でも24時間以内に必ず返事を返してくれました。これはいうのは容易いですが、なかなかできないことです。返事が来ないために仕事が止まるということがありません。また、忙しいわりには人の話をよく聞いてくれたと思います。リーダーシップやマネジメントスキルを徹底的にトレーニングされていて、それらを身につけたうえで、ある程度のポジションになり、実践しているのだなと感じることが多かったです。
同じオフィスにいる人であればその人のところに足を運んで聞けばいいですが、物理的に離れている場合(特に海外とのやり取り)、直接尋ねることは難しいものです。時差を気にしなくてもいいのでメールを使用することが多いですが、その返事がないことで業務に大きな支障が出ることがあります。この外資系金融機関では、24時間以内に返事をする、ということが徹底されていました。
ある有名なコンサルティングファームでも、「上司であろうと、部下であろうと、社内の人からのメールには、世界のどこにいようと24時間以内に返事をするというルールがあります」と言っていました。
メールで質問などをされて返事を求められた場合、できるだけ早く返すことを心がけたいものです。もしすぐに返事ができないのであれば、「メールを受け取りました。今は立て込んでいるので、検討して○日までにご連絡します」と送っておくだけでもいいです。検討や調査が必要で時間を要するならば、「調べる必要があるので○日までに連絡します」と伝えればいいのです。
これを伝えるだけで相手は安心します。なお、ここで大切なのは「○日までに連絡します」と相手に日付を明示することです。これによって、相手はその日までに返事がある、それまで待っていればいいということがわかり、もしほかの人が関わっている場合、そのように伝えられます。
●2週間後に100%のものよりも1週間後に80%のものがいい
ある外資系企業の経営幹部と仕事をしたときのことです。彼女は、次のようなことを言っていました。
2週間後に100%のものよりも1週間後に80%のものがいい。
ビジネスは刻々と変化しており仕事に関してまずは早く実行することが求められていると痛感した言葉でした。2週間後に100%のものができればいいですが、なかなか100%になるのは難しい。それならば80%のものをできるだけ早く出してもらい、そこから一緒に議論しながら100%に持っていったほうが結果としていいものができる、という考え方です。
スピードがとても大事、逆にスピードを持っていると大きなアドバンテージになるということです。
なお、コミュニケーションにおいてスピードが求められるものとして、ミスをしたときや業務上の問題が発生したときが挙げられます。何かミスをしたときにはできるだけ早く謝罪する、もしくは何かしらメッセージを発することが欠かせません。
問題が発生してそれを誰にも伝えずにおくことでより大きな問題に発展することもあります。ミスをしたことで業務に支障をきたしたり、同僚やクライアントに迷惑をかけることが分かった場合、できるだけ速やかに報告し、謝罪することが重要です。
●信頼関係は時間をかけて築く
スピードを求められる時代だからこそ、投げられたボールはできるだけ早く返す必要がありますが、スピードが重視されるからこそ、一方で時間をかけて作っていくべきものもあります。それは信頼関係です。「時間をかけて信頼関係をつくる」ことがコミュニケーションでは欠かせません。
どんなに役立つことを言葉にしても、相手にとって有益だと思うことを発しても、相手が聴く気がなければそれは相手には伝わりません。自分が発した言葉を聞いてもらうには、長い時間をかけて信頼を得ていることが大切なのです。
エレベーターテストやエレベータールールという言葉を聞いたことがあるでしょうか。自分のこと(自分の考え、自分がやりたいと思っていること、自分の仕事など)について相手に30秒以内で説明するテストです。エレベーターで会った人に30秒以内で説明することから、このように呼ばれるようになりました。
30秒で自分のことを話せることが大切ですが、ひとつ落とし穴があります。ある有名外資系企業の日本法人の社長を務めた人が「自分のことを30秒以内に話すことはとても大切。ただそこですぐに決めようと思ってはいけない。30秒話しただけですぐに何かできる、という単純なものではない。ただ、興味を持ってくれれば、また会おう、もっと話を聞かせてくれ、となる。そうなればいいのです」と言っていました。30秒ですべてを決めよう、と思ってはいけません。再度会ったときにじっくりと自分の考えや思いを伝え、相手のことも理解し、信頼関係を築くことでいろいろなことが進んでいく可能性があるのです。
ものすごいスピードで変化している時代だからこそ、じっくりと時間をかけて信頼関係を築くことが大切です。スピードが求められるコミュニケーションとじっくり時間をかけるコミュニケーション、その双方が求められているのです。【林正愛】
(ITmedia エグゼクティブ)(記事より)
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http://www.excite.co.jp/News/it_biz/20120514/Itmedia_enterprise_20120514005.html?_p=3
世の中の、ふつうというか、一般的な感覚というか。
そういうものから乖離していってしまうと、カルト集団みたいになってしまいますよね。