カテゴリ:オフの一日
上野の東京国立博物館へ、
「仏像展 ~一木にこめられた祈り」を観に行ってきました。 昨夜から書き始めた、明日発行予定のメルマガ原稿が、 朝方4時までかかってしまったので、 11時に起きたときは、身体がだるくて重くて、 「なんだか風も強いし、行くのやめようかなぁ」なんて あきらめそうにもなったのですが、 どうしても行きたくて、 行くなら今日しかないこともわかっていたので、 体にムチ打って、支度して出かけました。 そして、本当に行って良かった!! 帰りはウソのように身体が軽くなり、 見える景色の色も、感じる心も全然違うのを実感しました。 この「仏像展」に集められた仏像は、 高さ2メートル近いものから50センチサイズくらいまで、 一本の「木」から造られたものばかり。 使われている木々は、カヤ、スギ、カツラ、ケヤキ、トチノキ。 顔や胴体の部分に、木の年輪が見えました。 表情や体型、立ち姿が全然違っていたり、 時代や地域によって彫り方が変わってきたりしているのも、驚きでした。 絶対に失敗できない、一度削り謝ってしまったら修正不可能という 「一刀一刀が真剣勝負」の心と 優しい木の温もりが心に響く、 温かくて優しくて、ピリッとした迫力が伝わる、不思議な空間。 音声ガイドの、市原悦子さんの声にも癒されました。 日本昔話を思い出す、懐かしくも温かいお声と BGMとして流れるお坊さんの声明(しょうみょう)。 目を瞑って、その声と声明をきいているだけで、 シンとした清らかな世界へワープしてしまうような感覚になりました。 声って不思議ですね。 心の奥深くに響く感じが、ほんとうに心地よかったです。 お気に入りの説明は、イスに座って、目を瞑りながら 何回も何回も繰り返し聞いてしまいました。 全部で146体もあったなか、 私が一番心惹かれ、釘付けになったのは、 円空(1632-95)の作品である、十一面観音菩薩像でした。 円空は、江戸時代、専門の仏師ではなく、山岳修験者として、 日本各地を回り、庶民のための仏像を掘った人だそう。 ノミだけで仏像を削り上げ、あまり飾りもほどこさず、 木々の姿をそのまま生かしたり、 ゴツゴツとしたノミ跡が残っていたり、 大胆でかつシンプルな仏像。 え?!コレが仏像?!と一瞬思ってしまうような像ですが、 その表情が、あらゆるものを包み込むような温かさと優しさにあふれ、 心がどんどん溶け出していくのを感じました。 あったかいのです。 素朴でシンプルゆえに、その温かさ、こめられた祈りが ダイレクトに心へと響きました。 目録もしっかり買ってきたので、写真では何回も見ることができますが、 やっぱり実物を生で見るのとは、感動が違います。 もう一度、逢いに行きたいな。 今逢っておかないと、 今度は、岐阜県関市の高賀神社まで逢いに行かないといけないからなぁ。 すっかり円空に見せられた私は、 「円空を旅する」 なんて本も会場で購入してしまいました! 楽しみです♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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