放射線障害とは?
人が安全基準値以上の放射線を今回の福島原発事故のような状態から浴びると細胞の遺伝子が傷つき、ガンなどの健康障害を引き起こす可能性がある。安全基準値を超える放射線による健康影響が出るのはシーベルト数値にもよるが被爆後、数週間以内に出る急性の症状と、数か月から数年以上たってから出る症状がある。2~3週間以内に出る症状は免疫力の低下や貧血、出血など。骨にある骨髄が被爆でダメージを受け、白血球や赤血球などを作る機能が損なわれるため、こうした症状が出る。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなる。腸管や脳が障害を受けることもある。被爆後すぐに症状が出なくても、数か月から数年以上たってから、白血病や甲状腺がんなどを発症することもある。妊娠から間もない妊婦が放射線を浴びると、胎児に奇形などが生じる危険性もある。原発事故に備え、事前にヨウ素を服用すると、内部被曝を抑える効果が期待できる。事前に放射性のないヨウ素を取り込むと、原発事故で空気中に放出される放射性ヨウ素が、排尿によって体外に放出されやすくなる。放射線が体に与える影響は、ガンに対する放射線治療の副作用を考えると理解できる。