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今日は、「スラムダンク」を書いた井上雅彦さんの
「最後のマンガ展」に行ってきました。 「バカボンド」で描いている宮本武蔵とは違うテーマ 「武蔵の死」を中心に井上さんの世界が広がっていました。 入ってすぐのところに、等身よりも大きい 大迫力の墨絵の宮本武蔵のパネル。 刀を持った両手は下に力なく下がり、目は伏し目がち。 体からは異様な気迫を感じます。 あなたのクリックをご協力ください。ありがとうございます!! 入場のときからズラーッと人が並ぶほどの込み具合でしたが、 私は人が途切れるのをじっと待ち、ほぼ一人の状態になってから その絵の前で目を閉じてみました。 すると、なにか、むなしさと言うか、「また生き延びてしまった・・・」 というような何とも表現しがたい気持ちを感じました。 人を斬り、勝った。しかし、相手は血を流して横たわっている・・・。 複雑な心が死んだような重い気持ち(とこれは私の感じたことです)。 絵でこんな気持ちまで描ききるなんて・・・・。 (勿論、絵を見てどんな気持ちを感じるかは人それぞれですが。) 私は、井上さんの筆致力に、ただただ唖然としました。 私が感じた展示物の内容をざっくり書くと・・・、 年老いた武蔵が洞窟の中にいる もう武蔵の死も近い 気のボールのような、魂のボールのようなものを手のひらに抱えている それには沢山のとげが刺さっている 多くの人を斬ってきた 沢山のとげを魂に刺してきた しかし、多くの人が自分を尊敬し、多くの人にも影響を与えてきたではないか (だんだんとげが減っていく) 最後にとげが一本残る なかなか抜けない そこに幼いときに母親に抱かれ愛された記憶が甦る 最後のとげがホロリと落ちる・・・ 私にはこんな風に感じられた展示物でした。 殺された人の人肌が感じられるようなリアルな 肉筆画を床に伏せた真っ暗な空間を抜けると・・・、 今度は真っ白な空間が現れます。 そこに薄墨で描かれた母子の姿。 私は、人波が過ぎ行くのを待って、一人で見れるタイミングを待ちました。 そして年老いた武蔵が、遠い日々を思い出している気持ちに なってみました。 死にゆく武蔵が最後に思い出した母のぬくもり 愛されていた確かな記憶 もう、涙がポロポロ出てきてたまりません。 次が展示の最後の空間。 最後の空間も、真っ白にしつらえてあり、 そこには本当の砂を沢山敷き詰めてありました。 掛けてあったパネルに描かれているのは、 武蔵が誰かに「さあ、行こう」と誘われ、遠ざかるシーン。 あまりにも素晴らしい墨絵の数々と、そのコンセプトに 私の心はいつまでたってもジーンとしっぱなし・・・。 こんな素晴らしい仕事をされる井上さんに感銘すると同時に、 「私がこの世に生まれてきた使命は?」 ということも考えさせられました。 死と隣合わせで真剣に生きてきた武蔵を通して井上さんが 語りかけてきた世界に、しばらくどっぶりと浸っていました。 6月過ぎまで熊本市現代美術館で開催されています。 九州の方、九州に出張で来られる方、是非、足を運ばれませんか? 素晴らしい内容でしたよ。 ベストライフ・コーチング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月19日 23時42分17秒
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