カテゴリ:宇宙の法則
玄関用の花にフリージアとマーガレットを買ってきた。
スーパーでセットになっていた同じものを2つ。 マーガレットを短めに切り、花瓶に生ける。 ”ああ、そう言えばこの2つとも、小さい頃、庭に咲いていたな”と思う。 母は花の好きな人だった。 花を見ると母のことを思い出す。 私が小さい頃、母は庭先の梅の小枝を切り、 ”(学校の)先生に渡して。”と新聞紙に包んだ質素な花束を持たせてくれた。 学校へ持って行くと、先生が”うわー、きれい。ありがとうね。”と 言ってくれた。私はとても嬉しかった。 梅の季節になると、いつもそのことを思い出す。 今、私の家の庭に、わびすけが咲いている。 花好きの母が、”この花が一番好き。”と言っていた花だ。 私が生まれ育った家には、封建的な家父長制度を彷彿とさせる、父親が絶対 という空気があった。 母は、父の言うことに心の中で反対することはあれ、敢えてそれを 口にすることはなかった。いつも父に従っていた。 私と妹はそれが歯がゆくて、”お母さんには自分の意見がないの。”と 心の中で思っていた。 良妻賢母ではあるけれど、自分自身がない。 お母さんがやりたいことって何? どうして自分のやりたいことをやらないの?と 私も妹も思春期の頃、思っていた。 でも、私は今、そんな母を全く別の目で見ている。 母にも好きなものがあったのだ。 花が好きだった。手作りをするのが好きだった。 初孫の甥っ子たちにかわいいベビー服をいろいろ作っている。 丁寧な暮らしをする人だった。 お店があるのに、白菜づけ、梅干、ラッキョウ、甘酒など ちょっとの時間を見つけては、手作りをしていた。 父を、私と妹を、愛してくれた。 幼い頃、病弱だった私に野菜スープやリンゴのすりおろし、パン粥を 作ってくれた。 高校受験のときは、カイロと薬を用意してくれた。 母の作るサンドイッチと五目御飯は天下一品だった。 母にも好きなことがあり、母はちゃんとそれをやっていたのだ。 もっと自分と向き合えば、もっと母らしいやりたいことを 見つけていたかもしれない。 けれど、母の時代では、母の生きた環境では、母の生き方で 十分だったのではないか。 私も妹も子供たちを愛し育てることができたのは、母のお陰だ。 そんなことを話し、感謝を直接伝えることが出来ないままに 亡くなった母を、花が一斉に咲き始めるこの季節によく思い出す。 花の名前を口にすると、夫は”よく名前を知ってるね”と言う。 夫は博識だが、花の名前はとんと知らない。 私が花の名前を知っているのは、母の近くにいて自然に覚えたお陰。 過去と他人は変えられない、自分と未来は変えられる という言葉がある。 でも、解釈が変われば、過去は変わる。 今だったら、いろんな話ができるのに。 今だったら、素直にありがとうって言えるのに。 玄関のフリージアとマーガレットを見るたびに ”お母さん、お母さんの好きな花だね。”と心の中で呟いている。 ベストライフコーチング あなたのクリックをご協力くだ さい。ありがとうございます!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月27日 09時25分49秒
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