赤ちゃんはかわいくない?
5年前?6年前ひとり暮らしをしていたわたしは広瀬川に桜が咲いても紅葉が見頃でも愛宕橋に向かう小道はただの通勤路でしかなかったのですが不思議な事にお腹に赤ちゃんが出来てからいつもと同じ風が気持ちよく幸せで坂道も背中を押されるように歩けて広瀬川がきらきら輝いて見えて今まで嫌いだった犬でさえ可愛いと思えてしまったから不思議。川岸の雑草の緑でさえ心地よく何を見てもきれい、かわいい~と思えた。そんな時期がありました。プロラクチンとかよくわかりませんが女性ホルモンの関係なのだそうです。(これは勉強課題。間違っているかも?)母になる前は赤ちゃんを見ても何とも思いませんでしたが小さな赤ちゃんを抱くママを見れば今でも通りすがりにかわいい~と言ってしまうのです。ろう文化を研究する人のこんな論文があります。聴文化では、どんなに不細工な赤ちゃんでも必ずほめ言葉を贈るのがマナーにかなっている行為のようだ…。テレビのコマーシャルに出てくるようなかわいい赤ちゃんばかりではない。しわくちゃ顔の赤ちゃんもいるし、相撲取りの朝潮みたいな(朝潮ファンの方、すみません~)赤ちゃんもいる。聴者はこの「かわいくない」赤ちゃんにも「あら、かわいいわね」とまず言っておくらしい。聴者全員がとはいわないが、おしなべて「かわいい」というようだ。社交辞令の一種かもしれない。とこう続くのですが…父が産まれたばかりのわたしを見て大福みたいで食べてしまいたかったと言っていたことも思い出しました。わたしの周りのろう者はかわいい~かわいい~と産まれたばかりの赤ちゃんに言ってくれました。10ヶ月お腹にいた赤ちゃんが待ちに待ってものすごい痛みとともにやってくる。しわくしゃで真っ赤な顔でおじさんみたい、かわいい、可愛い、抱きしめても足りないくらいいとおしい。こんなにかわいい子供見た事がない。パパにそっくりだけど可愛い、我が子の可愛さ、かわいさ、どんな日本語にも置き換えられない。それを知っているから赤ちゃんを見ればかわいいのです。お世辞でもマナーでもなくかわいくてかわいくて仕方がない、ろうでも聴者でも母はみんな同じではないかとママとして思います。