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2006/10/14
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昨日、いろんな意味でとっても衝撃的な出来事がありました…。



その日は朝から幼稚園の用事や七五三の準備のための用件などで

朝から夕方までずっと外出しっぱなし。

なんやかんやと忙しかった私は

夕食の支度をする頃にはすっかり疲れ果てていました。

今日の夕食はなんにしようかな…

日ごろ心がけている「一汁三菜」なんてとてもできそうもない。

今日はパスタにでもしてちょっと楽させてもらおうかな…

なんて思ったのです。

 

とりあえず、完熟のトマトがあったので、それでソースを作り、

ありあわせの野菜を煮込んで野菜スープを作ったあたりでもうギブアップ。

はあ、ようやく出来上がったよ…と思ったところで

カイがやってきてこう言いました。

「ママ、ぼくお手伝いするよ。お皿運ぶからね」

「カイー、ありがとう…」

私は息子の優しい言葉がとても嬉しかったし、疲れていたこともあったので

一番たくさん盛られている大きなアキヒコさんのお皿を渡してしまいました。

恐らく普段なら小さい子供用のお皿を渡したことだと思います。

でもそのときはそんなことまで気が回りませんでした。

 その瞬間。

 

 

「あ!!」

 

思いっきりお皿のバランスを崩してしまったカイは

お皿に盛られていたパスタのほとんどを床に落としてしまったんです。

 

 

突然の出来事に私はもう頭が真っ白になってしまいました。

当のカイはあまりの出来事に呆然と立ち尽くしています。

 

うちでは身体の大きなアキヒコさんがやはり一番食べるので

私はいつも一番最初に大量の分量を盛り、そのあと子供たちの分、

そして最後に残った分を自分のものとしてお皿に盛ります。

当然パスタのソースなどおかわりを残しているわけもなく

フライパンには哀しくソースがこびりつくのみ。

一番大量の食材を一瞬で無駄にされてしまった私は

「ああ…|||(-_-;)||||||」

と、つぶやきながらお皿に拾い集めるのがやっとでした。

もちろんカイが思いやりから手伝ってくれ、

意図して落としたわけではない、ということもわかっているので

本当なら怒鳴りつけてやりたいくらいの怒りやら虚無感やら疲れやらが

心の中でいーっぱいだったのですが、

もう、とにかく黙っているのがやっとだったのです。

するとそんな様子を見たアキヒコさんが

「ああ、いいよいいよ、カイ。心配しないでも大丈夫だから」

といいながらやってきて

それから私を一喝しました。

「子供がせっかくやってくれたんだから、その態度はないだろ!!」

わかっているのです。そんなことはわかっているのです。

でも本当にそのときはソレが精一杯だったんです。

その後「いいよ、俺、これを食べるから」というアキヒコさんを制し、

「いいえ、落としたものを食べさせるわけにはいかない。

こっちを食べて」 

私の分の皿を彼には差し出しました。

彼はそれではお前はどうするんだ、その落とした分はどうするんだと

私を追求したのですが

とにかく食べて!とアキヒコさん、カイ、アミを食卓に座らせ

食事をさせました。

私はこみ上げてくるいろんなものを抑えつつ、

野菜スープのみを食べ、いたたまれず先に席を立とうとしたとき、

彼が言ったのです。

「お前の態度はよくない。カイにあやまれ」と。

 …もう押さえていた涙が一気に溢れ出してしまいました。

 アキヒコさんが言っていることは正しい。カイだって全然悪くない。

子供の目の前で泣くなんていけない。そんなこと全部わかっています。

でもどうにも抑え切れませんでした。

だってひっくりかえされたら

どうにも修復できないことなんていっぱいあるじゃん!

悪気がなかったら結果がどうでもいいなんておかしいじゃん!

そんな気持ちと

カイの優しい気持ちを一番に酌んでやれなかった自分へのはがゆさで、

もう涙がぽろぽろのまま首を必死に横に振って

「謝れ」という言葉に抵抗するしかそのときの私にはできなかったのです。

私はそのまま台所に立って、声を殺して泣いていました。

私の分だけでは足りないはずのアキヒコさんは

カイが落とした分のパスタを少し食べていました。

そんな姿もなんだかつらかった。

どうにも自己解決できない自分のなかのもやもやに押しつぶされて

もう涙を流すしかできませんでした。

すると

 

カイが泣きながらやってきてこういったのです。

「ママ…ごめんね、ごめんね…」

 

 

私の中で何かがせきを切ったようにあふれ出しました。

次の瞬間、カイを抱きしめて大声で泣き崩れてしまいました。

「いいんだよ、ママこそごめんね…でもね、

やっちゃったらどうやっても元に戻せない失敗だってあるんだよ、

今度は気をつけようねって

そういうこと、言いたかったの…

すぐに大丈夫だよって、言ってあげられなくて本当にごめんね…

でもお手伝いしてくれて本当に嬉しかったよ、

ありがとう、ありがとう…」

と、ようやく自分の気持ちを素直に息子に伝えることができたのです。

 

 こういう言い方がよかったのかかどうかはわかりません。

こういう対応が正しかったのかどうかもわかりません。

他のお母さんならもっと上手にこの場を乗り切るのかもしれない、

そうも思います。

でも、そのときの私には本当にそれが精一杯だったんです。

 それでも、カイと抱き合って泣いて、なんだかとっても

気持ちが通じ合った実感があったことは、

うまくいえないけれど、本当に「実った」感があったのです。

 

そのあと、雰囲気を察した二歳のアミがタオルを持ってやってきて

「ママ、泣かないでね、ふきふき、ね」

と私の涙を拭いてくれたり、

アキヒコさんがやってきて

「さっきは言い過ぎた、悪かったよ」と謝ってくれたりしたことも

また私を涙させました。

そのあと、カイが運ぼうとしてくれて落としてしまったあのパスタを

アキヒコさんが拾ってくれ半分食べてくれたあのパスタを

私は泣きながらひとりで食べました。

ありがとうの気持ちとごめんねの気持ちをこめながら。

 

 

就寝時には初の胎動を感じたりと、

昨日は本当になんだかいろんなことがあった。

でもこの出来事だけ通り過ぎることができなくて

こうして書きとめてみました。

 

 もしあなたが同じ状況になったら、

あなたはどうしますか?



 

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最終更新日  2006/11/30 09:10:33 PM
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