074911 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

Simply Heaven

Simply Heaven

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

Suzy Q

Suzy Q

カレンダー

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月

カテゴリ

コメント新着

Suzy Q@ Re:写真を見て(03/12) あじたまさん いえいえウェイティングお…
あじたま@ 写真を見て 教室の入り口で先生の入場!を心待ちにし…
Suzy Q@ Re[1]:クリスマスローズ花芽(01/30) candytuft2005さん こんにちは。こちらは…
candytuft2005@ Re:クリスマスローズ花芽(01/30) 鉄砲虫って株元を食い荒らして、株全体に…
Suzy Q@ 小さな自然 なるだけ責任もって育てようとは思ってる…

お気に入りブログ

新・浅間の見える窓 あじたまさん
バラ作り30年300万本… eiichi05282000さん
enjoy garden candytuft2005さん
はすむかいさんの家 shijimimamaさん
Viburnum plicatum Viburnum plicatumさん
2009年09月05日
XML
カテゴリ:好きな文章

 

夜道を歩いていたら、植え込みで『チン、チン』と鳴いている。

今年初めて聞くカネタタキだ。コオロギの仲間で、鉦をたたくように鳴く。

立ち止まって耳を澄ますと、別の葉陰からもチン、チン…。秋が耳の奥へ広がっていく。

 

12月を音のイメージで表した『音の歳時記』と言う詩が、那珂太郎さんにある。

一月は『しいん』。厳冬に天地は静まる。

二月は『ぴしり』。春が兆して氷が割れる。

三月の『たふたふ』は雪どけの川。詩人の感性は、さすがにみずみずしい

四月は『ひらひら』。野を越えて蝶が飛ぶ。

五月は『さわさわ』と風がわたる。

六月『しとしと』。七月の『ぎよぎよ』は蛙の合唱だ。

そして八月の『かなかなかな』から、九月は『りりりりり』。

音の呼び覚ます季節感も趣は深い

その詩さながらに、東京ではここ数日で、樹上の吹奏楽から草むらの弦楽に楽団が変わった。カネタタキはささやかな打楽器か。

虫の声の移ろいは、太陽の季節から『もののあわれ』の季節への、舞台の巡りを人に教える。

昔は、虫の声にも『聞きなし』があった。リーリーと鳴くコオロギの声を『糸刺せ、針刺せ、つづれ刺せ』と聞いたそうだ。

冬着の繕いを急がせる声だという。夜が静かだった頃の炉辺の想像である。

那珂さんの詩は、十月『かさこそ』、十一月は『さくさく』と続く。落ち葉と、霜の朝である。

十二月は『しんしん』。雪が降って、時の逝く音だそうだ。

心を澄ませば聞こえるかもしれない。日々の喧噪から、時には心身を解き放つのも良い。

 

 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年09月05日 10時59分12秒



© Rakuten Group, Inc.
X