|
カテゴリ:元ナース☆只今専業主婦の戯言♪
最初から読みたい方はこちら 夏になると、ちょっとこわい話を聞きたくなります。 そんな、ちょっとだけこわい話です。 「杖」 深夜勤での休憩時間は午前3時頃から4時頃まで。 こんな時間に朝ごはんなんて結構きつかったです。^^; 忙しいと休憩時間もほとんどなく日の出を迎えることもありました。 でも、とっても落ち着いた静かな夜もありました。 そんな静かな深夜勤でのお話です。 「今夜は静かですね~。」 「ほんと、こんな夜勤ばっかりだといいよね。」 「ほんと~。」 なんて話していると、1年後輩の子が 「この病院でこわい話とかあるんですかね~?」 と聞いた。 するとベテランナースが 「こういう話があるんだけどね・・・」 と話し始めた。 Aさんという患者さんが入院してきました。 この患者さんは何度も入院をしている患者さんで スタッフもよく知っている患者さんです。 以前患った脳梗塞で軽い半身麻痺が残ってしまっているので 入院時はいつも杖を持ってきていました。 そして退院時はいつも杖をついて退院して行ったのです。 何度も入退院が続きとうとう亡くなられてしまいました。 丁度、深夜勤帯で亡くなられて、出棺も物寂しい感じでした。 もうよく知った患者さんだったので 翌朝の申し送りでは長年この病棟に勤めているスタッフはいたく悲しみました。 入院しいた部屋はすでに片付けられていてサッパリしています。 その日の日勤ではここの所バタバタと忙しかったのに 珍しく緊急入院も急変もなく静かなゆったりとしていました。 それは深夜帯までも続きました。 その日の夜勤には新人ナースが一人組まれていて初めて一人立ちする日でした。 3時の見回りも順調に進みナースステーションに戻ろうとしたところ 「○○号のものですけど、杖が見当たらないんですよ。困っているのですが。」 と声をかけられました。 病棟はセンターで西と東に分かれていて、この新人ナースは反対側の担当だったのですが 部屋がナースステーションから近かったので 「では探してみましょう。」 と部屋に行くことに・・・。 すると何も無い部屋のカーテンの奥に隠れるように杖が1本ありました。 新人ナースは杖を持ってナースステーションの前のソファーで待っている 患者さんの元に行きましたが 患者さんはいくら探してもいませんでした。 それを持って休憩室に入っていくと、その杖を見た先輩ナースは 「それって昨日無くなったAさんの杖よ。」 と驚きながら言ったそうです。 翌朝すぐに家族の方に連絡し、取りに来てもらいました。 「全く杖なんて気づかなかったわ。いつも杖ついて歩いていたから きっと杖を置き忘れたことが気がかりだったんでしょうね。」 と家族の方は言っていたそうです。 そしてお棺の中に一緒に杖を入れてあげたそうです。 そこまで話すと先輩は 「うっそぴょん!」 ; ̄□ ̄) ヲィ!(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|