sweet&sweet

昨日仕事から帰ってきたパパから悲しいニュースを聞きました。

「ジョーダンのママが亡くなったよ・・・」

私は言葉を失ってしまい暫く放心状態になりました・・・


彼女はうちの斜め下に住んでいた7歳の娘さんのシングルマザーの
女性です。
癌だったそうです・・・まだ、35歳という若さでした。


彼女たちがここに引越しをしてきたのは2年前の春頃
離婚をして地元のこの町に戻ってきたとの事で、母娘の二人暮し。
外で何度か顔を合わせるうちに、少し外で立ち話をしたり、
少し経った頃には、たまにお家に遊びに行かせてもらったりするように
なったんです。

彼女は日本から来ている私に「家族もいなくて淋しいね」と
私の事を気にかけてくれて、とても優しい女性でした。


私も「何かあったら家に来てね、力仕事とか主人得意だからね！」と
いつでも家に来て欲しいと彼女に伝えていました。


でも、その年の秋ごろ突然彼女達の姿を見かけなくなって
家に行ってもずっと留守の様子・・・
「どうしたんだろう？何かあったのかな？」って主人と
心配してたんです。

そんなある日彼女のお向かいに住んでいる女性が
「彼女ね入院したみたい。私も気になってて丁度昨日お姉さん
らしき人が来てたから聞いたんだけど」との事でした。

それから暫く経って彼女達が家に戻ってきたんだけど
久しぶりに会う彼女はとても痩せていて驚いたのを覚えています。

彼女は「なんかもうすごい具合が悪かったんだけど
良くなったから心配しないでね」と私に言ったんです・・・

でも、会うたびに彼女は痩せていき誰が見ても具合が悪いんだなって
分かるほどでした・・・

そんな彼女を見て「どうしたの？どこか悪いの？」とは
聞けず、「大丈夫？何か手伝える事があったら言ってね」と
言う事しか出来ませんでした。

あんなに痩せてしまってきっと何か重い病気なんだとは感じていました。

それでも、彼女は去年の夏頃はまだ自分で運転もしていたんですが
日が経つにつれて彼女を見かけることは殆どなくなっていきました。

娘さんの学校の送り迎えも、買い物もすべて彼女の家族が来て
していたんです。

秋頃には外で彼女に会うことはなく、私からは彼女の家のドアーを
ノックする事は殆どなくなりました。たまにスクールから帰った娘さんと
外で会って一緒に公園に行ったり、うちに遊びにきたりと
いつもと変わらない、かわいくて、素直で、私の娘達にもやさしい
ジョーダンの姿を見ると、この子の為にも元気になって欲しい
そう願う事しか出来ませんでした。


私が彼女に会ったのはクリスマス前が最後です。
ジョーダンに娘達からとお菓子を持って行った時でした。
彼女はドアーに来るのがやっとという感じで、とても細い声で

「THANK YOU」と言ってくれました。


それが最後の彼女との会話です。



夕べ眠る時に彼女との今までの思い出がたくさん甦ってきました。

去年の夏、ジョーダンがゲームを買ってもらい、テレビに接続するのが
分からなくて家に来て「お手伝いしてもらえる？」って頼んできてくれた事

きっとママが「上に行ってお願いしておいで」って言ってくれたんだと
思います。

こっちに来て人に頼られる事なんて殆どなかった私。

家に来てくれた事がとっても嬉しかった事を今でも覚えてます。


ある日うちの子供が遊びに行って、おもちゃの掃除機がとっても
気に入ってずっといる間遊ばせてもらっていたら

「それ持ってて良いよ！この子は殆ど使わないから」と言ってくれて
後日、ありがとうって返しに行った時

「良いんだよ！ずっと持ってて。使ってね」って言ってくれた優しい彼女・・・


きちんと最後に「今までありがとう」と言えずに彼女と
お別れになってしまいました・・・

今も涙が止まりません。

幼い愛する我が子とお別れしなくてはいけなかった時の
彼女の気持ちを思うと辛かったことでしょう。

娘さんに対して「悲しい思いをさせてごめんね」という気持ちもあった
事と思います。

でも、この7年間の間彼女は一生分のたくさんの愛情を娘さんに
注いできたと思います。それは娘さんを見てて分かります。
本当に気持ちの優しい、いつでも元気いっぱい、きちんと
「ありがとう」が言える純粋な気持ちを持った子供に育っているから・・・


娘達に話もしました。そして皆で
「ジョーダンママありがとう」と空に向かってお礼を言いました。


本当に今までありがとう天国で安らかに休んでください。