ageha的ニチジョウ

「先日、日比谷公園で二本の足に糸が絡んで
歩けない鳩を見た。



歩く事も出来ず、ただうずくまって仲間からも遠ざかって
私が近づくと飛んで行ってしまう鳩。

もがけばもがく程糸は足に強く食い込んむ。
自分でほどく事も出来ずに。

血が通わなくなった足は黒ずんで、きっと痛くて
飛ぶのも辛いだろう。



人間なら自分でほどく事も、他人に頼む事も、苦しさから
逃げる為に自ら命を落とす事も出来る。

でも、鳩は何も出来ずに、やがて足が腐るのを待つだけ…。
何も悪い事なんてしてないのに。
他の仲間と一緒に空を飛びたいだけなのに。



一度遠くへ飛び去って、少しするとまた私の所へ舞い戻って来た。
両足を私の方へ向けて大きく羽ばたいてから地面へ降りる。


両足を私に見せて「糸を切って」と言ってるように。

かわいそうでかわいそうで見ていられなくて、捕まえようとしても
逃げてしまう。


管理事務所の人に頼んで捕まえて貰おうとしたけれど、どうしても
逃げてしまう。


仕方なく家に帰ったが、やっぱりあの鳩の事が気になって、
あの時何が何でも捕まえて糸を切ってあげれば良かった、そればかり
思って、自分の無力さと人間の何気なく捨てたゴミへの悲しさと
苛立ちが今も残る。あの鳩は今頃どうしているだろう。

そう考えると糸を切れなかった自分が愚かに思えてならない。





新聞で読んだ記事には、産卵の為に岸へ寄って来た海亀が、好物の
クラゲと間違えてビニールを食べて死んでしまうと載っていた。

缶のプルタブがクチバシに引っかかって外れなくなってしまった鴨、
油にまみれた海鳥達。いたずらに殺された動物達、檻に入れられ
雪に濡れるアフリカの動物達、主人に捨てられた行き場のない小さな命、
車にはねられそのまま動けず幾度も轢かれる動物達。



この国は、この地球は人間だけのものじゃない。
人間のエゴでなぜ、罪のない動物達が苦しまなければならないのか。



人間が何気なく捨てた糸屑やビニールや空き缶が
こんな風に動物達を苦しめている現実が、とても、

とても悲しかった。　　　1990年　春　」



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コレ↑。

19歳の春に書いた無邪気で暗くて恥ずかし～あたしの
作文。あれから20年近く過ぎた今も、
同じような事思ってる。

同じように全く変わっていない、むしろ悪くなってる
人間と、自然のカンケイ。



20年もあったのに。

何も変わっていない。


あたしも、人間も、いろいろ全てが。


 恥ってかんじ～？


もどかしくって暖かくって
桜ははらはらとその花を散らし
そしてまたきっと来年も同じ春が来る。

いくつもの命がなくなり生まれそんなことに
関係なく、また春が来る。



あ。なんかhideちゃんの「Hurry Go Round」みたい？


蔦は絡まり　身は朽ち果てて
思い出の欠片　土に帰り
また　花となるでしょう
Like a merry-go-round & round
また春に会いましょう



また春に会いましょう。
また春が来たよ。
なんかあたし泣きそうだ。

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