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2009年12月24日
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カテゴリ:生物系のお話
あと2ヶ月先くらいに論文抄読会(Journal club;JC)が迫っていることもあり、
早めに準備しようと、
何か面白い論文は出ていないかと、色々とニュースのほうをいつもより細かく見ている黒山羊でう。

そんな中、
こんな記事を見かけました。

ビタミンCでiPS細胞の作製効率が上がることを発見

曰く、

これまでは、1万―10万個の細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製していたのが、
培養液にビタミンCを入れたところ、作製効率を大幅に上げられることを発見した。

とのことです。



雑誌は『Cell Stem Cell』でした。

*黒山羊が所属するラボのJCは、ある程度、レベルのある雑誌から論文を選んで読まないと文句を言われます。
*Cell Stem Cellという雑誌は、幹細胞研究系の雑誌の中では、非常にレベルの高い雑誌です。

これなら文句は出ないので、
候補にしてもよいかなーと思うのですが、よくよく考えてみて、内容がどうだろう。

単に、アスコルビン酸ナトリウム(Asc)を添加しただけのような気がする・・・



ビタミンCを添加することで、培養中の細胞からiPSを作成する効率が上がったのは、
新しい発見かもしれません。

ただ、ビタミンC(Asc)って、抗酸化作用があります。
NACを添加することで、細胞培養をしやすくなることが分かっているので、
これに関係することではないかな?と考えると、
あまり面白くない、と言われてしまうかもしれません・・・。



ちょっと詳しく書くと、

細胞培養において、
細胞は、組織中とは違った環境にいるため、ストレスを受けると考えられています。
(例えば、酸素濃度など)


ストレスを受けたときに、反応する遺伝子の1つとして、p53が挙げられます。
(*このp53の産物(p53タンパク)は、通常の正常組織では発現は見られないそうですが、
培養すると、組織中よりも発現量が上がるらしいのです;それだけ、培養条件は細胞にとってストレスなのかも?)

このp53の発現があがる原因の1つとして、組織中とは違った環境にいることに起因する、
酸化ストレス(活性酸素などによるダメージ)が知られています。



このp53というタンパクがあると、
培養している細胞は増えれなくなったり、細胞自身が死んでしまったりします。

なので、
p53を減らしてやれる環境、
つまり、酸素濃度の条件や酸化ストレスがない条件を作れば、
細胞にとってはhappyで、
細胞は「よっしゃ、増えるか!」と増殖してくれます。



ビタミンC(Asc)はヒトや霊長類では合成できない物質で、
抗酸化作用があります。

これを培養中に添加してやることで、細胞の酸化ストレス→p53の発現上昇が軽減され、
長期の細胞培養を可能になる、ということは、結構昔からなされています。



また、
以前に、p53をなくすことで、iPSが作製しやすくなったという報告があります。

なので、
酸化ストレスを減らすことで、培養中でのp53の発現が多少抑えられて、
iPSの作製効率が上がった、というのなら、わからないストーリーでもないし、
インパクトも少ないかもしれない(少なくとも、うちのラボでは)。

こういったことで、どうかなーと。




ただ、
p53をknock down(K.D)した場合と、
ビタミンC添加時で、
どちらがiPS作製効率よかったのかは、ちょっと気になるところ。

まぁ、多分、p53 K.D.のほうが効率いい予感は当たり前にするけど。

とあるお嬢さんにとっては、
面白そう!!ということで、
論文落として来い!と、言われそうな気がしています。

(実は、この雑誌、すぐには落とせないんです。
けど、欲しいなら手を尽くしてみます)





余計な一言。

なんで、今日の記事は微妙に詳しいのか、って?

そりゃー、
アスコルビン酸ナトリウムと、もう1つの抗酸化剤、NAC(N-アセチルシステイン)を使ったことがあるからさっ!


初めて、これらを使ったときは、
練習として、ヒトの胃由来の上皮細胞を延命・不死化していたときだけど、

この子も、とうとう貰われていっちゃったしなぁ・・・

いちおー、
胃由来で上皮系のマーカー出してたんだけど、
培養していたのが、1年以上前で、何か聞かれたときに心配。
あとで、ログ見直しておこうっと。

ま、来年でいいか=3





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最終更新日  2010年01月03日 19時43分04秒
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