ウインカーの不調
シャリィのキャブを掃除したので、完全に復調た。エンジンも1発で掛かるし、アイドリングも安定している。吹き上がりも申し分無いのだが、ウインカーが点らない。右ウインカーはパイロットは点くのだがウインカーが光らない。左ウインカーはパイロットもウインカーも光らない。症状の軽そうな右から調べて行く。フロントのウインカーレンズを覗き込むとバルブが下の方に転がっているのが見えた。レンズを外してみると、バルブソケットを留めているビスが抜け落ちソケットごとバルブが転がっていた。シャリィのウインカーにはアース線がなく、ウインカーソケットから車体に直接アースされるようになっているので、これが原因だと言う事は直ぐにわかった。ビスを留めたらパイロットもウインカーも正常に動いた。次は左ウインカーだが、厄介な予感がする。先ずは電球とアースを確認するが問題無い。次はライトを外して配線の確認をするが問題無い。さ~て困った。何処が悪いのか特定が難しくなった。ギボシの間違いや外れは無いので何処かで断線か或いはスイッチ辺りの気がする。こうなったら目視は無理なのでテスターの出番となる。キーをONにして電球を外した右のウインカーソケットの中央にプラス、縁にマイナスを当てて見ると、5.5Vが表示されるが、左のウインカーソケットは0のままだ。電気が来ていない。これでは点灯する訳が無い。ウインカー線の導通を調べてみるとブザーが鳴って導通ありと出た。断線ではない。それではとスイッチからの導通をみようと、ビスを1本抜いてスイッチカバーを外したら悲劇が起こった。スイッチの右、OFF、左の3箇所のギボシに接触する金具とバネ、それにホーンのバネが飛び出して来たのだ。ウインカースイッチの分解はTLR200で一度酷い目に遭っているので慎重に行わなければならない事は分かっている筈であったが、慎重さが足りなかったのだ。ウインカースイッチはスイッチレバーを動かすことによって、バネでテンションを掛けられた金具が基盤のギボシをスライドする仕組みになっている。この小さな部品を狭いスイッチケースの中で組み立てるのは至難の技が必要だ。スイッチをハンドルに付けたままの状態での作業はより困難になるし、小さな部品を落としてしまう事が予想されるので、スイッチケースに繋がった配線の束をハンドルから抜く。ピンセットでバネと金具をセットし、精密ドライバーの先で金具ごとバネを押さえながら狭いケースの中へ配線基盤を押し込むにはどうしても手が3本必要だと言う事が分かった。こうなったらなりふりかまっている暇はない。助っ人が必要なのだ。外した部品を入れた箱を家の中へ運び込むと妻が「ひるおび」を見ていた。コメンテーターが首相の加計学園問題を熱心に解説していたが、内閣を揺るがすような問題よりも、今の私はシャリィのウインカースイッチが直るか直らないかが最重要課題なのである。私 ちょっと手伝ってくれ。妻 また、バイクの部品?私 ウインカースイッチがバラバラになってしもうたんで組み立てるから、精密ドライバーで金具の上からバネを押さえてくれ。妻 何でこんな事を.....ブツブツブツ.....。上手く行かんから、あんたが押さえとき。私 よっしゃ。ほんなら押さえとくから、配線基盤をラジオペンチで摘んで、この隙間に押し込んでくれ。妻 配線が邪魔で入らんよ。私 その配線をこっちに曲げて、.....そうそう。そのまま押し込め.....。あぁ~あ~。妻 こんなん出来んわ。無理!何の部品か知らんが、買った方が早いんじゃないの。私 アホぬかせ。こんな小さなスイッチでもHONDA純正を買ったらえらい高いことになるで。妻 それなら何でバラしたん。私 ........。(これだから女子供にはバイクの話しはできんのじゃ。)妻 交替しょ。私 そのまま押さえとけよ。我慢せいよ。おっ。おっ。入った。入った。よしよし。悪戦苦闘でやっとの思いでスイッチを元に戻したのだが、ウインカーの不調を探るのはこれからなのだ。組み立てたスイッチをそ~と運び、ホーンのバネを仕込んでハンドルに素早く取り付け、配線は後回しにして取り敢えずギボシだけ接続してみる。キーをONにしてウインカーテストだ。右OK。左....。OK?。何の問題も無く左も点滅する。パイロットも点滅している。直った。どうやら左のスイッチの接触不良だったらしい。バラして組み立て直した事で配線基盤のズレが直ったのだと思われる。ホーンもOK。何か知らんけど、良かった。良かった。ギボシを抜いて配線の先に針金を括り付けてハンドルパイプの中を通し、配線を元に戻して完了である。バッテリーも充電完了を取り付けているので、バッチリである。今回は焦っていたので肝心な箇所の写真を撮るのを忘れていたのが残念である。接触不良を起こしていたと思われるウインカースイッチ