残念なクラッチワイヤ
エンジンのピストン、シリンダーとスパークの確認、キャブの修理と、少しずつエンジン始動に漕ぎ着けて行くのだが、次はクラッチだ。ハンドルにクラッチレバーを嵌めてクラッチが動くがどうか確かめようとしたら、ホルダーとレバーを留めるネジが抜け落ちていた。この部分のネジは普通のネジと異なりレバーの厚み分だけネジ山が無く太くなっている特殊なネジとなっているので、通常の10ミリネジは使用出来ない。これではレバーを握ることもできないので、何とかせねば。古いストックネジの箱を漁ると、プラ部品などを留める時にネジに被せるカラーが出て来た。10ミリネジにピッタリであるが、ホルダーの取り付け穴には僅かであるが大きくて嵌まらない。ホルダーの穴をドリルで広げれば簡単なのだが、アルミのホルダーはなるべく加工したくないので、カラーを削る事にした。しかし、円筒形のカラーの外側だけ均一に削る事は難しいので、どうしようかと考えた。カラーに長いボルトを挿してベンチグラインダーでカラーを回転させながら削ってみたらどうだろうかと思ってやってみたら上手く行った。これでやっとレバーの取り付けができる。クラッチレバーを取り付け握ってみるがビクとも動かない。クラッチが張りついているのだろうか?それではと、エンジン側のクラッチレバーを引っ張ってみたら、動いたので、ワイヤの固着だ。ワイヤを外して確かめようと、ゴムのホルダーカバーを外したら何と!真っ赤に錆びて殆ど風化してしまっているケーブルアジャスターが目に飛び込んで来た。アジャスターに刻まれているネジ山は無くなっている始末である。ワイヤにもサビが見える。それでもサビの塊のようなアジャスターを力業で回してワイヤを外したのだが。全体に固着しているようで、どんなに引っ張ってもビクともしない。オイルに漬け込んで何とか動くようにしたとしても、最早ケーブルの呈を為していないので、これはどうにも使えないとの結論に達して諦めた。キックした限りでは、ギアは入っていないようなので、クラッチが動かなくてもエンジンは掛ける事が出来るだろう。ブレーキ側ホルダボルトとストックの10ミリボルトとカラーベンチグラインダーでカラーを削るブレーキ側ホルダボルトと削ったカラーを取り付けたボルト加工後ホルダに嵌めたボルトワイヤアジャスターのサビワイヤ調節のサビ