悪戦苦闘のフロントフォークのオイルシール交換1
XLR250R(MD22)のオイルシールとフォークブーツが届いたので、交換作業を行う事にした。オイルシールはAliExpressでダストカバー付きの2ヶ入りセットで1,054円、送料78円の合計1,132円であった。安いのは良いのだが、中華から船で来るので、20日ほど時間を要した。フォークブーツはamazonで上部穴径40ミリ、下部穴径60ミリ、全長320ミリを2ヶセット 1,061円で購入。全長が20ミリほど長いが何とかなるだろう。これも中華製なので注文から20日ほどかかった。MD22のフロントフォークはカートリッジ式に変更されているので、部品がバラバラにならずに済むのが良いところである。タクトを置いた作業台を移動させて、XLR250Rのハンドルをホイストで吊り上げてフロントタイヤを浮かす。このバイクはフロントフォークの右側にアクスルシャフトを固定するアクスルホルダーが4本のナットで留められている。これを緩めてアクスルシャフトを抜くのだが、通常のバイクだとアクスルシャフトの片側はナット留めなのだが、このバイクはナットは無く、右側は六角になっており、左側はフォークのネジ穴にねじ込むだけになっている。屋外での整備性を考えての事だろうか、初めて見る構造である。フロントタイヤを外したら最上部のフォークボルトを緩めて置き、フロントフォークを下側から抜く。こういった作業はホイストが実に役に立つ。外した左側のフォークのアウターチューブの下部にあるドレンボルトを外すとオイルが出て来るが、フォークボルトを外しておかないと、空気が入らないので出て来ない。排出されたオイルは意外にもまだ赤味がかって非常に綺麗だ。オイル交換してさほど年数が経っていないようだ。オイルが抜けたら、アウターチューブの底部にあるソケットボルトを緩めるのだが、普通に緩めようとするとスプリングハウジングが共回りして緩まないので、ハウジングを固定する専用工具を使うのだが、過去に分解した時は全て電動インパクトで緩んだので、今回も6ミリの六角レンチを取り付けてガツンと一発。アッサリと緩んだ。スプリングハウジングを抜き出し、インナーチューブを抜こうとして引っ張っても抜けない。TL系のバイクなら直ぐに抜けるのだが、どういう訳か抜けないので、セローのSMで抜き方を調べてみたら、抜き方は書いていないが、インナーチューブを抜かずにオイルシールを交換する方法が書いてあった。ダストシールとオイルシールストッパーリングだけ外して、後は分解せずにフォークオイルをインナーチューブに一杯まで満たして、フォークボルトを締め、プレス機でフォークを縮めるとオイルの圧力によりオイルシールが抜けるとあるが、プレス機なんぞは持っていないので、他の方法をネットで探してみると、トップボルトのエアー注入口から圧縮エアーを注入する。それでも抜けない場合はオイルシールが嵌まっている辺りのアウターをヒートガンで炙る。とあるが、このバイクのトップボルトにはエアー注入口が付いていないのでこの方法は使えない。インナーチューブの抜き方はスライドハンマーの要領でガコンガコンと何回も内部パーツをぶつけると抜けるとあった。そういうものなのか。これならできる。やってみると数回で抜けた。分解した部品を見てみると、インナーチューブの先に付いているスライダーブッシュがアウターチューブの中にあるガイドブッシュより少し大きいので、抜き出す事はできないようだ。ガイドブッシュは圧入されているので、引っ張った程度では抜けて来ないという事が分かった。インナーチューブが抜けるという事は、ガイドブッシュとバックアップリングがオイルシールを持ち上げる事になるので、シールはアウターチューブの口ギリギリまで押し上げられていた。後はタイヤレバーで軽くこじれば直ぐに外す事ができた。ここまでは順調に行ったのだが、組立時に大変な惨事が起こった。オイル漏れを起こしている左のフロントフォーク右側のフロントフォークにあるアクスルホルダーアクスルホルダーを外さなくても緩めるだけでアクスルシャフトは抜けるようだ車体から取り外したフロントフォーク上部にはサビがあったフォーク排出したフォークオイル底部のソケットボルト電動インパクトで外したソケットボルト取り外したオイルシールストッパーリングとダストシールアウターブーツ出口まで上がって来たオイルシールインナーチューブの先に取り付けられているスライダーブッシュ